・政治家研修会の最終レポート

このレポートの最終章を迎えました。
研修会のメーンイベントといってもよい、田中真紀子氏の講演です。
講演に先立ち、演者に対する聴衆としての細かな指示が発せられます。


写真を撮ってはいけない。手を傷めているので握手を求めない、などなど。


テレビカメラが6台も並んで、記者席もマスコミ各社が陣取っています。
さすがというか、並みの国会議員との格の違いを見せ付けています。
マスコミについても、指示が出ました。
「5分で退席すること。間に合わなければ機材を置いてでも退場するように」
結構厳しいんですね。


聴衆の盛大な拍手に迎えられて、田中真紀子衆議院議員の登場です。
私の周りでも「オーラーがあるな〜」との声が聞こえてきました。
演壇に上がって、日の丸に礼!


田中さんだからというわけではないのですが、何で政治家の皆さんは日の丸に一礼するのでしょうか。
国会議員なら当然の行為なのか、庶民には理解できません。
ついでに、言わせてもらえば、議員の呼称に「先生」とつけますよね。
あれを聞くと、政治屋だな〜って思えてしまう。


師と仰ぐ代議士に対して、敬意を表して先生と呼ぶのなら理解できます。
ところが、代議士ならピンでもキリでもみんな先生と呼ぶのが当然な世界なんですね、政治屋さんて。
当然、田中氏も「田中真紀子先生」と紹介されるわけです。
政治家および政治屋と、そうでない普通の人を見分ける時に、
代議士を先生と呼ぶかどうかを判断材料にしている人は、
私以外にもいるのではないかな。


さて、本題に戻って真紀子節です。。
北朝鮮による拉致被害への政府の失態のところは聞き応えがありました。
金正日に、拉致被害者の5人死亡情報を突きつけられた小泉首相が、
この世の終わりのような死相になったなんて、暴露しちゃったり、
安倍晋三も小泉さんと一緒に逃げ帰って来てしまった無責任振りなど、
聴衆を引き込む話題が満載です。


具体的な数字を挙げて、拉致被害者の引き取り料金(不謹慎な言葉でごめんなさい)を算出。
それによると拉致被害者一人当たり30億円の資金提供を北朝鮮にしたらしいです。
その結果、持ち帰ったのがごく一部の拉致被害者と、
随行員(マスコミ含む)がもらった北朝鮮産のマツタケ
高いか安いか、国民が判断する必要があるとの言葉には、説得力があります。


拉致被害が、一部の解決で幕を引かれそうな現状からしても、
小泉首相が周到な準備もなしに乗り込んだことに、正当な評価が下されていないことが懸念されます。
政局の打開に外交を利用して人気を高める小泉手法の裏をいろいろと教えていただきました。


田中真紀子氏の講演内容については、一新会参加者やマスコミ報道が詳しく書いてくれていると思います。
私が、真紀子氏の講演でもっとも感銘を受けたのは、内容ではなくて話術です。
聴衆の雰囲気を敏感に感じ取り、話の内容に応じて巧みに抑揚を使い分ける。
会場にいるすべての聴衆の耳と目を、すべて自分に釘付けにする優れた話術に関心しました。


研修会では折に触れて、国会議員をはじめとした政治家の演説を聞かされる機会がありましたが、
ほとんどの方が、元気良く、良く通る大声でしゃべりまくります。
しかし、一本調子なので、うるさいだけ。
数分も聞けば耳が痛くなってしまいます。


そこへいくと、真紀子氏は大きな声を張り上げる場面はクライマックスに限られます。
序盤は面白おかしく、聴衆をリラックスさせて心に油断を作らせます。
具体的な事実を示しつつ、本質に迫り始めると、言葉に重みが増してきます。
そして最高潮に盛り上がったところで、バシッ!!!と聴衆の心を虜にしてしまう。


言っていることの真偽は別にしても、説得力ではその場に居合わせた他の同僚議員は足元にも及ばないですね。
天性の才能、父親からの遺伝も考えられますが、とにかく政治家に求められる演説の才能には抜きん出ていると感じました。


講演が終わると、ブロックごとに写真撮影です。
真紀子氏も一緒に写っていたようで、近くに位置取りできた人はラッキーでしたね。
そこだけ切り抜けば、田中真紀子と並んだ写真が作れちゃいますかね。
何でもどんどん利用して、名前を売りましょうよ。


すべてが終わって帰ろうと、車のところでウロウロしていたら、
なんと真紀子氏を乗せた車が、目の前にスーと走り寄って来るではないですか。(もちろん偶然)
窓が開いていたこともあって、後部座席の真紀子氏と会釈を交わしました。
「ご苦労様でした。」
こんな一言が交わせただけで、うれしくなってしまった。
有名人と遭えた喜びのような感じですね。う〜ん、自分もミーハーなのかな・・・。


その後は別会場で、平沼衆議院議員の講演もあったのですが、定員の関係ではじき出されてしまいました。
議員や候補の秘書が有資格者で、中には重要な支持者も参加できたようですが、重要でない私なんぞは、
当然のごとく入れてもらえません。
ハイ、おしまい。