・上伊那広域連合の情報に注意2

ごみ中間処理施設

 上伊那広域連合が発行している『公報かみいな」で、新しいごみ中間処理施設の記事の締めの言葉、


 「あともうひとつ大事なことがあります。それは正しい知識を持っていただくことです。」
 「昨今はさまざまな情報が飛びかっており、不安をあおるような情報、事実と異なる情報もありますが、
  何が正しいのか、真実は何なのかを見極めていただきたいと思います。」


 この言葉の裏に潜む、行政のイメージ戦略を考えます。

ダイオキシンの危険性を誤認

 焼却場からのダイオキシンによる環境被害はなく、測定された高濃度ダイオキシンは農薬によるものと、
身代わりを立てて危険性を誤認させてしまっています。
しかし、「昭和30年代から40年代にかけて使用された農薬」の記述が持つ意味は大きいのです。


 すなわち、50年も前のダイオキシンが分解されずに残存することを意味しているからです。
施設から出るダイオキシンは低濃度だから安全だと言っていますが、同じ位置にあり続けることでダイオキシンが蓄積する危険性には触れていません。
さらに、「濃度が低いから安全」は現実的ではないから注意が必要です。


 問題なのは、実際に放出されるダイオキシンの総量なので、空気で薄められて少なく見せかけられた安全性をそのまま信用できません。
身近な危険を例に取れば、調味料として少量使用される醤油は安全な食品ですが、一度に大量摂取すると低濃度でも死に至ります。
濃度が問題なのではなくて、実際に存在する総量が重要なのだと認識してください。


 このように、市民に知識がないのを利用して流される、間違った情報で安心させてしまう広域連合のやり方は、
不安をあおる情報よりもさらに悪質です。

何が正しいのか、真実は何なのかを見極めていただきたいと思います。
この締めの言葉は、ごみ処理問題を考えようとする市民活動に向けられたものですが、
実は、広域連合の発表する情報にこそ最も注意を払う必要があります。


 新しいごみ中間処理施設の概要には、処理施設の危険性を容認させるための記述があります。


 ある化学物質を使用することにより得られる利益をベネフィット(benefit)と言いますが、リスクを削減するためにその化学物質の使用を禁止しようとする場合、その化学物質を使用することで享受していたベネフィットを失うことも充分考慮する必要があります。

 極端な話ですが、がんによる死亡を防ぐためには、化学物質汚染対策に力を入れるよりは、たばこを禁止する方が、はるかに効果的であると発言される方もいるくらいです。

だから焼却場のダイオキシンは必要悪であり、社会がタバコを認めるのだから汚染対策に力を入れる必要はない_と勘ぐりたくなります。
こんな、無責任な言葉を発する上伊那広域連合を信頼できますか?