・犬140匹の飼い主に問うモラル

北海道弟子屈町の牧場跡地などで140匹もの犬が狂犬病の注射をせずに飼われていて、地元で問題となっています。

飼い主の女性は町からの改善命令には応じず、25日、町が立ち入り調査を行いました。


飼われている犬はすべて無登録で、狂犬病の予防注射も受けていません。

標茶町の飼育場では、何頭もの犬が柵の外で飼われています。


飼い主は34歳の女性です。6年ほど前から捨て犬を拾って育ててきました。

予防注射をしない理由については、こう主張します。

 「行政は『(犬を)つなげ』とか、『逃げたら殺します』と。私はそういった法律には加担できません」

 「私は何も変な事は言っていない。命を大事にしようと言っているだけです。それが変なことなんですか?」

 「狂犬病予防法は悪法で、登録を行わないのは悪法ということに対する意思表示。(犬を飼育するのは)生命倫理に基づいた考えで、地獄を見るのは承知の上」(犬の飼い主 北原めぐみさん)


これに対して町の担当者は、

 「住民の方々や家畜に被害があってからでは遅いですから、首輪のない犬、野犬と思われる犬については排除に努める」(弟子屈町 環境対策課 渡辺 正 係長)


公益を守る行政の立場とすれば当然だと思いますが、飼い主が行政との対立を選択したことが、飼い犬を不幸にすることに思いが及ばないのが気がかりです。

犬が日本の社会の中で生きていくためには、守らなければならないルールが決められています。


今回の問題は、140匹もの犬を保護している女性が、ルールに異議を唱えていることに端を発します。

ルールに則った上で改善を求めていくならば理解されるかもしれませんが、ルールを無視してしまっては反社会的な行動として厳しく処罰されることになります。


やろうとしていることは間違いではないので、資金力のある団体などと協力して、継続できる保護活動として改めるべきは改善し、犬が安心して生き長らえる環境を作るべきだと思います。

今のままでは、結果として飼い主の主張の犠牲となる犬が哀れです。