・集団自決が教科書で隠蔽されたが

教科書検定に関する要望書を渡海文科相(右)に手渡す沖縄県の仲井真知事=3日午前、文科省沖縄戦の「集団自決」に関する軍の関与が隠蔽された高校用日本史教科書の検定は、教科書出版社に記述の「訂正申請」させて、教科用図書検定調査審議会が再審査する方向で決着する見込みとなってきました。

沖縄県民の行動が世論を動かし、政府の陰謀を打砕したわけですが、これで一件落着としてはならないと思います。


10月1日の渡海紀三朗文部科学大臣発言。
「(検定への)政治的介入があってはいけないが、沖縄県民の気持ちを考えると、両方ともものすごく重い」


検定意見原案が文部科学省初等中等教育局長によって決裁されていたことが、すでに政治介入でした。

さらに、教科書調査官が文部科学省の職員であることからも、教科書検定が政治介入の温床となっている一面があります。


以前の教科書検定は、白表紙本を提出した後、いくつか意見が付され、その意見について、修正案を提出し、教科書調査官と数回のやり取りの後、検定合格となったようです。

ところが、最近の検定現場では、提示された検定意見原案を「全面的に受諾して出版するか」、「受入を拒んで出版を断念するか」の二者択一を迫られるのだそうです。


今回の「沖縄集団自決」は、沖縄県民の猛烈な反対運動によって検定結果だけは覆るかもしれませんが、現時点における検定に政治介入があったことを政府が認めることにはなりません。

教科書検定のあり方を見直さなければ、気がつかないところで、こども達への政府の洗脳教育が着々と侵攻する危険性を秘めています。