・長野県のずさんな温暖化防止目標

長野県は20日の県環境審議会に、県内の温室効果ガスの総排出量を、2012年度までに1990年度比で6%削減する新目標を盛った「地球温暖化防止県民計画」の改定素案を示しました。

森林整備による二酸化炭素(CO2)吸収量を含めたのが現計画との大きな違いとなっています。


前県政時代の03年4月に策定した現在の県民計画は、森林吸収量を含めず、10年度までに温室効果ガス排出量を90年度比で6%削減する内容となっている。

これに対し県は5月、国と同様に森林吸収量を含めて目標を見直す方針を示していました。


信濃毎日新聞の記事によれば、県環境政策課は、CO2を含む温室効果ガス排出量の合計を12年度時点で1584万トン(90年度比3・5%増)と想定。

一方で、90年度以降に整備された森林のCO2吸収量を12年度時点で145万7000トンと見込み、差し引き1438万3000トンを目標値に置いた。

ただ、90年度以降もCO2排出量は増加しており、森林吸収量を考慮する前の排出目標を04年度時点の実績と比較すると、実質9・2%減が必要となる。


数字のつじつま合わせをしたのみで、実質的な温暖化対策が示されたわけではありません。

そのつじつまあわせも、子供だましの低レベル。

長野県の森林が二酸化炭素を吸収できるほど健全かどうかは、森林税を新たに課してまで緊急に手入れをしなければならない現状を考えれば、全くの見せ掛けだと誰でも分かります。


今回の計画の一番の「ミソ」は、計画年度を10年から12年に移したことです。

10年では村井知事が在任中となってしまい責任を問われるので、一期で辞めたあとの12年にしておけば次の知事の責任に転嫁できる。

姑息な村井知事らしい。