・恥も外聞もなく軌道修正

赤穂中学校入学式(平成15年度)中原・駒ヶ根市長が引退間近になって軌道修正を始めています。

中学校の通学区見直しもその一つ。

通学区の見直しは絶対にありえないとしてきたこれまでの主張をあっさりと撤回してしまった。


そもそも、この問題は赤穂中学校における学校崩壊に端を発しています。

同校で多発した校内暴力や不登校が生徒数の肥大がもたらした弊害だと考えた教育委員会が、赤穂中の生徒の一部を東中に移動するための「通学区検討委員会」というものを設置しました。

ところが、地域のエゴが邪魔をして通学区の変更がうまく行かずに、委員会の答申が得られませんでした。


答申できなくなってしまった委員会は、こともあろうに「通学区を変えることはできないから学校を動かしてしまおう」と、とんでもないことを言い始めました。

赤穂の生徒を受け入れることに寛容だった竜東地域の市民も、この暴論は受け入れられるはずがありません。


しかし、「合併特例債」という甘い汁に目を奪われた中原市長は、この暴論を最大限に利用することを思いついたのです。

教育委員会に「東中はこのままでは危ないと思い込ませろ」と指示を出し、教育長が市民に「過小規模校は学力が低下するのは私の経験から明らかです」と全くのデタラメを吹聴する。

教育者が嘘をつくはずはないと思い込んでいる善良な市民は、教育長にまんまとだまされてしまい「中学校を移転したほうがいいのかも」と不安に駆り立てられます。


その結果、適正配置検討委員会という、移転新築のお墨付きを与えるための委員会が設置されて、形だけの市民参加で、移転新築が望ましいという結論が導き出されました。

すべては、合併特例債を使った箱物建設で、取り巻きを潤そうと仕組んだ、中原・駒ヶ根市長の思惑通りにことが運ばれていきました。


ところが、最後の最後でどんでん返し。

合併後の新市名に「中央アルプス市」という珍市名を当てようとしたものだから、事なかれ主義の駒ヶ根市民もさすがに目覚めて「合併反対」と相成りました。

中原市長は最後の詰めが甘く、最大の公約が実現できないばかりか、金の工面ができないとなるや中学校の移転もさっさとやめてしまいました。


本当に必要な移転だったら、不要不急の道路建設や再開発などを後回しにしてでもやるはずですが、「特例債がもらえるからやってしまおう」が本音だから、白紙になるのは当然のことでした。


そして、引退を間近に控えて、当初からやるべきだった通学区の見直しに戻ってきたというのがこれまでの顛末です。

まことにお粗末な中原市政の5期目の締めくくりですね。