・駒ヶ根市長選の課題 4 商工業

本日のお題は商工業。


駒ヶ根市は、企業誘致に積極的でした。

土地開発公社が多額の債務を抱え込み、塩漬けの土地が生み出す多額の利息が重くのしかかっていました。

そこで、企業を呼び込むための土地のバーゲンセールで、格安の土地を提供し、さらに固定資産税の免除まで。


しかし、投資に見合った税収入の増加を検証できるデーターは公開されていません。

雇用は増加するどころか、域外から連れて来られた正社員と、地元採用の非正規雇用の格差を生み出しています。


また、市街地の中心商店街は、寂れる一方。

バイパスの開通で、郊外型店舗の勢力は強まる一方となり、状況はさらに悪化の一途を辿っています。

すべて、場当たり的な産業政策による弊害の現われです。


駒ヶ根には元々広域農道がバイパスの役目を果たしており、連携道路の整備で市街地の混雑などは容易に解消できる環境にありました。

ところが、土建工事をのどから手が出るほど欲しがる中原市政では、新たな道路整備と土地区画整理事業に目先が向いてしまい、本質的な交通網の整備の観点からは離れていってしまいました。


中心市街地の衰えを考えれば、不要不急のバイパスは慎重な検討を要したはずです。

バイパスが開通する→郊外型の大型店ができる→消費者は車で安く品揃えの多い大型店に出かける→商店街が寂れる。

この図式は普遍のもので、土建工事の犠牲者が商店街だと言える。


これまでの駒ヶ根の商工業政策は、企業をつれてくる、郊外型店舗の開店を促すバイパスの整備、などハード面に偏っていました。

偏っているだけでなく、副作用に考えが及ばず(見て見ぬ振りをしているとも考えられるが)、このままでは歪んだ産業構造がさらに深刻になってしまう。


新たな事業の着手はしばらく見合わせ、現状の商工業のバランスをソフト面から見直す時期に来ています。

もちろん地球温暖化防止の視点からも、肥大化することによる弊害が深刻化していることを認識する必要があります。


企業誘致で雇用を増やし、夢の5万人構想を出した杉本候補は、ビジョンの先に待ち構える奈落に気が付く賢明さを早く示してもらいたい。

現状では、駒ヶ根の産業を見据えた政策センスがどちらの候補からも感じられない。