・市長選、北沢候補の政策を検証

信濃毎日新聞 1/14駒ヶ根市長選挙に立候補した三名の候補者の政策は、違いが明確になってきました。

それぞれの候補が掲げる政策を、出陣の際の演説を主に、三回にわたって検証します。

届出順に北沢候補から。

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中原市長の後継者としての存在を訴える戦略が顕著となったのが北沢候補。

北沢候補の出陣式は、CoCo壱番亭横の選挙事務所前で開かれ、自民党の国会議員らが出席し、中原正純市長は「市をより発展させるには、北沢候補以外にはいないと確信している」と応援演説を行った。

本人も「(市政の)流れを誰が引き継ぐのかという選挙」と強調。

財政改革の矛盾

財政は現状路線を踏襲し、企業誘致を進めると言っています。

そのためには土地開発公社による更なる企業用地開発が伴い、県下の市で二番目に悪いと批判されている債務保証の問題がさらに悪化します。

企業誘致で人口が増えたとされていますが、増えた人口のほとんどは企業が他の事業所から連れて来た社員。

地元雇用はほとんどないことが、誘致された企業内部から情報がもたらされています。


企業が増えることによる税収の増加を財政改革と位置づけていますが、現在までの企業誘致に投資した多額の財政支出の回収の目処は示されていません。

企業の社員が増加することで、更なる社会資本の整備要求が生じ、これに応えるための財政支出が伴います。

政策と現実を見比べると、北沢候補の財政問題に関する公約は著しく整合性に欠ける。

医師問題解決のための道筋が不明

昭和伊南総合病院の医師不足には市民の関心が最も高まっています。

候補の示す問題解決のための手法には具体性と実効性が求められる。


しかし、北沢候補が示した政策は、「きちんと対応していきたい」・・・。

南行政組合の中原組合長のもとで悪化した病院経営も引き継がれたのでは、駒ヶ根市の医療環境はさらに悪化してしまう。

ひと言で片付けるのではなく、市民が納得できる政策を示して欲しかった。

市民アンケートから見た候補者としての評価は最悪

信濃毎日新聞が12日に公開したアンケート結果によると、「投票する際、重視することは何ですか」の問いに最も多かったのが『公約・政策』 (44.8%)

北沢候補が最も重視する公約は「中原市政の継続」ですから、有権者は「市政の継続」をポイントとして北沢候補を見ることになります。


一方、「市長に最も期待する資質は」の問いで、最も低かったのが『市政の継続性』 (2.2%)

有権者が最も軽視する市長への資質を、最重要の公約として掲げる北沢候補との位置づけができます。


この問いに対する答えで最も多かったのが『市民の声を聞く姿勢』ですから、北沢候補はアンケート結果を受けて、市民の声を聞き入れて公約の軌道修正をすると思われていました。

ところが、立候補の第一声が「中原市政の継続」です。


市民の声を退けてでも、引退した後の中原市長と共に歩むことを選択した北沢候補。

アンケート結果からの評価が最悪となってしまうのは避けられませんね。