・米の作りすぎは、もったいない!

東北農政局が作った「米の作りすぎは、もったいない!」「米の過剰作付けは、資源のムダづかい」というポスターに対し、地元の農家が「一生懸命米作りをしている農家の誇りを逆なでしている」と激しく反発している。

東北6県の農家約6000戸でつくる東北農業農民団体連絡協議会が25日、同局に文書で抗議するとともにポスターの回収を求めた。


 「米の生産調整」への理解を深めてもらおうと局内で文言などを検討し、3万枚作製。

今月から東北地方の農協などに張り出された。「MOTTAINAI」という文言付きで、「麦・大豆等へ転作し、自給率を向上」「限られた水田を有効利用することが、国民共通の利益」などと呼び掛けている。


抗議文は「過剰なのは輸入米で、外米に血税をつぎ込むことこそムダづかい」と指摘。

連絡協議会の佐藤長右衛門会長は「高齢化が進む農村では、米作りを続けることが心の支え。カラー印刷で3万枚作成する金があれば、もっと他の施策に使うべきだ」と話した。


 同局は「米価下落で生産調整が緊急の課題。決意の表れとしてインパクトのある言葉を選んだ。誇りを傷つける意図はない」とし、ポスター撤去などの予定はないという。(毎日新聞 2008年2月25日)

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机上でしか仕事をしないお役人が考えそうなことです。

「米の自給率は100%だから作りすぎは良くない」とのお考えでしょうが、日本の食料自給率をマクロに見たらそうとも言えません。


米の生産量は年々減っています。

自給率が100%のまま推移しているのは、消費量も同様に減少しているからです。

米の消費量が減り、主食料が他の食料にシフトしたことで、日本の食料自給率は確実に低下しています。


米の過剰作付けが問題の本質ではなくて、食糧自給を国策として持たない日本の無策が根本的な問題だと思います。

水田は米つくりのためだけに存在するのではなく、水源涵養を顕著な役割として、地域の自然環境を支える基盤でもあります。

大豆・麦への転作を奨励しているのは、単純に国産量が不足していることへの穴埋めです。


日本は、カロリーベースで食糧の60%を輸入している、最悪の食糧後進国です。

イージス艦事件に見られる、たるんだ自衛隊が日本を守ってくれると思ったら大間違い。

ましてや、婦女暴行を繰り返す米軍が最後まで日本を守り通すことも考え難い。


なぜなら、世界中で最も効果的な戦略物資は「食料」となっているからです。

食料を争奪するための戦争がいつ起きてもおかしくない状況になりつつある。

そんな世界的な状況下で、日本は「輸入できるのだから無理に作らなくてもいい」と、政治家達はのん気に構えていらっしゃる。


これを受けて、お役人たちは「米を作るのは資源のムダづかい」とまで言い切ってしまった。

採算が取れなくても、日本の食糧を下支えしている農家の苦労を踏みにじるものです。

農政の本質を知らない人たちが農政局にはいるらしい。