・火力発電に支えられたオール電化

酒田共同火力発電所日本の、ちぐはぐな温暖化対策を不安に思っているとしたら、その人は温暖化への関心が高いと思います。


温室効果ガス排出を大幅に減らすため、政府が29日にも閣議決定する「低炭素社会づくり行動計画」案が明らかになりました。

2050年の排出量を現状から60〜80%削減する長期目標を掲げた「福田ビジョン」の達成に向けた具体策を示したもので、太陽光発電機器の価格を3〜5年後に半額程度にする施策を打ち出ています。

火力発電所や製鉄所から排出される二酸化炭素(CO2)を地中に閉じ込める「CCS(炭素回収・貯留)」の実用化への道筋なども盛り込んでいるのが特徴です。

さらに、原子力発電所の建設についても、着実な実現を目指すとし、電力各社が新規建設を計画している13基の原発のうち、17年度までに9基を新設するとしている。


一方、猛暑のため電力需要がピークを迎え、首都圏では、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の全面停止で、供給の綱渡り状態が続いています。

東電は、この夏の電力需要を6110万キロ・ワットと見込んでいる一方で、供給の方は6670万キロ・ワット分を確保したとしているが、その裏側では休止させていた火力発電所をフル稼働させています。


これに拍車をかけているのが、電力各社が強力に販売を増やしている『オール電化』です。

ほとんどのエネルギーを電力で供給してしまおうというのですから、電力需要がうなぎのぼりに増えるのも当然です。

エネルギーの分散を阻害するオール電化は、地球温暖化防止にかなりの悪影響を及ぼしています。


太陽光発電パネルの設置に拍車がかかると予想される3〜5年後には、すでに京都議定書の約束期間が終わってしまいます。

原発が建設されるとしている2017年度は、京都議定書の期間が終わった5年後です。

それまでは、火力発電所が大量の二酸化炭素を排出し、マイナス6%の削減は到達困難な目標としてかすんでしまうでしょうね。


これから、くどいほど繰り返して書き続けますが、京都議定書のマイナス6%の削減目標は、2008年から2012年までの平均で達成が義務付けられています。

現在、目標値よりも上回って排出している温室効果ガスも、2012年までにまとめて削減しなければなりません。

2012年以降に持ち越すことは認められていません。


住宅のオール電化は、太陽光発電で相殺する場合にのみ温暖化防止に寄与しますが、火力発電で支えられている今の電力を消費する限り、温暖化防止の邪魔者でしかありません。

国の温暖化対策は京都議定書の期間後だし、電力業界はオール電化でエネルギー需要を高めることに(儲けることに)熱心です。

自民党の間違いだらけの温暖化対策のつけを払わされるのが次期民主党政権になるとすれば、自民党がでたらめをやり続ける理由が理解できます。