・谷ママは金メダルよりも主婦

女子48キロ級3位決定戦を制し、ほっとした表情の谷亮子=北京科技大体育館(共同)新聞の紙面トップは「谷、三連覇ならず」が独占です。

ワイドショーでも、「微妙な判定にやられた」と残念がるコメンテーターが続出。

日本国民の期待を一身に背負った谷のプレッシャーの大きさを表していると思います。


負けたのは谷選手ですが、この敗戦の責任は日本柔道界にあります。

選考試合で勝った選手を退けて谷を選んだ選択の責任があるからです。

選考試合で勝った山岸選手を送り込んでいても金メダルが取れたかどうかは判りません。

もし、山岸を送り込んで今回と同じ結果になったら、「やっぱり谷を出すべきだった」とする声が上がるでしょう。

しかし、代表を決める時点で一番強い選手がオリンピックにいけるという単純明快な決断が下されずに、『金メダルを取るための策』として谷を選んだことが正解ではなかったと反省すべきだと思います。


オリンピックの代表権が勝ち取るものではなく、所属団体の思惑でどうにでもなるから責任が生じます。

代表選考会で勝ったものが優先的代表権を得る。

協会が別の選手を送り込みたければ、選考会の勝者との代表権争奪試合を組むシステムにしておけばいい。


策士策におぼれる。

日本の五輪選手選考の弊害が現れた結果として今後の改善が期待されます。


谷選手には心の底からご苦労様と言いたい。

「これからは主婦がしたい」との本人の弁が重い意味を持ちます

妻として母として生きることは五輪の金メダルに固執する以上の価値があると思います。