・世界の共通認識となった偽装中国

8月15日、北京五輪組織委員会は五輪開会式で中国各地のさまざまな民族衣装を着た子どもたちが行ったパフォーマンス(写真)について、実際には民族衣装と子どもの出身地に関係がなかったことを認めた。8日撮影(2008年 ロイター/Mike Blake) 北京オリンピックの偽装が次々と明らかになり、スポーツマンシップに則ったフェアプレーの頂点を目指す場として見直しの機運が次期開催国の英国から発信され始めました。

次回夏季五輪を開催する英国で、北京五輪の運営に対する批判的な報道が目立っている。

「偽装五輪、どこから見ても見栄え良く設計」。こんな見出しを掲げたのは、13日付タイムズ紙。

口パク問題のほか、当局が組織した“ボランティア”応援団が競技場に送り込まれ、空席が目立つ応援席を埋めていると報じた。

派手な演出の開会式にロンドン五輪関係者が「太刀打ちできない」と漏らすほどだっただけに、その後の「花火の合成映像」や「口パクの少女の歌」の発覚で「中国異質論」が勢いを増した形だ。

 フィナンシャル・タイムズ紙は社説で、偽装してまで“完ぺき”を目指す中国は「五輪は単なるゲームだと思い出すべきだ」と強調。デーリー・テレグラフ紙は、ロンドン五輪では「開会式でも競技でも健全さを取り戻そう」と主張した。(共同)

北京五輪組織委員会は15日、8日の五輪開会式で「中国の56民族を代表する」と紹介した子どもの多くが、少数民族の衣装を着ただけの漢族だったことを明らかにした。漢族は人口の92%を占める多数派。各民族の団結が漢族を主体に演出された。

一方、開会式の演出が、「中国文化を濃縮した表現とする」との中国共産党上層部の指示で、演出家の計画から大幅に変更されていたことが分かった。絵巻物の演出を担当した中国人画家、陳丹青氏が中国紙「南方週末」の最新号で証言した。

陳氏は「昨年初めに中南海(北京の要人居住区)の人が意見を言い、変更させられた」と語った。(毎日新聞

中国国内では偽装五輪を肯定する意見が大半を占めていることから、中国という国家そのものが偽装で成り立っていると思ってもよさそうです。

五輪にふさわしいくない国で開催したことに問題があるのであって、中国の体質を今さら批判しても仕方がないとも言える。


違う見方をすれば、中国がニセモノ大国であることを今回の五輪で返上する機会として与えられたにもかかわらず、それができなかったことで中国は先進国の異端者としての地位がさらに強固になったと思います。

どちらにしても、国際標準のモラルを国家としても、民族としても持ち合わせていない中国の現実を世界中の人々が共通認識として得られた意義は小さくない。

こんな国が常任理事国になっている国連が世界の規範になれないのも当然といえる。