・薬物力士が自民党演出に待った

自民総裁選 小池、与謝野氏が8日に立候補表明 9月7日 毎日新聞スポーツ界の薬物汚染防止の流れを根幹から揺るがそうとする動きが大相撲の内部から勃発しました。

相撲協会主導で行われた力士への薬物検査の結果、ロシア出身の二名の大麻使用が確定した。

これに対して力士の弁護士が、相撲部屋の意思として手続きに異議を唱えて法廷闘争に持ち込む構えを見せている。

相撲界以外のスポーツ界ならば、ドーピングの判定に異議を申し立てること自体がご法度。

大相撲という閉鎖された団体が社会規範を持ち合わせていないことを図らずも表に出してしまった大失態です。


ところが、この反社会的な行為が社会に貢献している側面がある。

自民党が狙った総裁選演出の効果にかなりのダメージを与えているからです。

大相撲の薬物力士報道が世間の注目を一手にひきつけたために、綿密に練られた自民党広告が二番手に。

さらに、農薬や猛毒のカビに汚染された工業用米が食品加工に流用された事実が明らかになり、国民の関心がさらに分散しています。


大相撲は文部科学省所管の財団法人なので、担当大臣である自民党鈴木恒夫衆院議員には責任の一端がある。

有毒米の方は、事務所費問題で一躍名を馳せた農水相太田誠一衆院議員が、ずさんな検査体制の責任を負うことになる。

自民党は、総選挙のためにメディアを悪用した宣伝に力を入れ、政権与党としてやるべきことをなおざりにしている。


「人が代わればうまくいくかもしれないじゃないか。その可能性にかけよう」

福田首相が退任を決意した後に官房長官に語った言葉として伝えられています。

こんな人任せな総理大臣が、今でもその地位にあり、日本社会が混乱しているのにのんびり「銀ブラ」を謳歌しているというから無責任も極まった。


メディア戦略に多彩な顔ぶれをそろえて悦に浸っていられるほど、政権与党である自民党が気楽でいられる状況ではない。

所詮は自民党内部の人事に過ぎない自民党総裁選びなのだから、ニュースとして区切りをつけて報道してもらいたい。

総裁選出の過程など、選出権を持たない国民が知っても仕方がない。

自民党総裁民主党代表が確定した時から、双方の政策を国民に訴えるべき。


それまでは、国民生活に次から次へと現れる難問に即座に対応するのが本来の仕事だと思いますよ。