・世界恐慌は農業改革のチャンス

アメリカのサブプライムローンに端を発した金融破たんが、世界恐慌の引き金を引いてしまったんではないかと言われ始めています。

株取引とは無縁でも、アメリカのダウ平均の下げ幅が史上最大だとか、世界規模の巨大証券会社リーマンブラザーズが倒産しただとか、嫌でも目にします。


不景気になるから庶民も大変だとマスコミは騒いでいますが、全部が全部悪いわけでもない。

少なくとも農家にとってはありがたい側面があるように思えます。


例えば、ドルの価値が下がって円が上がれば輸入される畜産飼料が値下がりします。

地方の農産業は輸出に依存している割合は極端に低いので、為替の変動は円高の恩恵のほうが大きい。

危機的な状況を迎えている日本の農業が立ち直るための猶予が僅かながらに与えられたと好感することがあっても良いのではないかと思う。

外国からの輸入農産物の価格も上がって競争が激化するとか、中国へのブランド米進出に悪影響が出るとか、悪い要素がたくさんありますが、都合のよい面に目を向けてめげない農業を目指すことのほうが大事でしょう。


輸入に頼る畜産飼料やリン肥料は、将来はさらに逼迫することが考えられる。

僅かに生じた余裕を有効に利用して、農産業の構造改革に取り組むことが急務だと思います。

国の中枢では金融危機への対応で手一杯だろうが、地方の危機は別のところにもある。


自民党政府が進めてきた、アメリカ依存の大規模集約化農政は破綻が見えてきました。

農業とは本来、適地・適作・適量だったはず。

民主党が政権をとって、地域の風土とともに個々の農家が自立する本来の農業へ転換させるときです。


農家の戸別補償をバラまきで終わらせないためには、この政策が農業生産の下支えとして機能している間に、飼料や肥料も含めた自給率の大幅な改善を目指す新たな政策を実行に移さなければなりません。

世界の産業構造が劇的に変化するこの時期にこそ、地方の農業が変わるチャンスだと思います。

地方の衆院選の重要なテーマとなるはずですから、候補者の農業政策に注目です。