・長野県民御用達の浜岡原発が廃炉

中部電力浜岡原発1、2号機(中央建物、左から) 毎日新聞より東海地震の想定震源域の真上に位置する浜岡原発静岡県御前崎市)が廃炉となる。

安全性を強調してきた中部電力が13日、一転して1、2号機の廃炉を検討していたことを明らかにしました。


地震学が専門の石橋克彦・神戸大名誉教授によると、


老朽化し、既に長く運転が停止している1、2号機は廃炉が当然で、中部電力の検討は遅すぎたと思う。浜岡原発は、マグニチュード8クラスの東海地震の想定震源域の真上にあり、地球上で最も危険な場所にある。新たに6号機を建設するなどとんでもないことで、3、4、5号機と順番に廃炉にしていくのが望ましい。国の原発立地審査指針には「大きな事故の誘因となる事象が過去になく、将来も考えられないこと」とあり、国は6号機の申請は門前払いにすべきだ。
廃炉は当然で、新規建設などとんでもないことだと指摘しています。


中部電力から電気を供給されている長野県民は、浜岡原発の存在にもっと敏感になるべきです。

恩恵だけ受けて危険の認識に欠けている。

しかし、東海地震浜岡原発に被害が生じれば、発生した放射能汚染の影響は、天竜川をさかのぼって伊那谷全域に及ぶ可能性が高い。


中部電力管内では、安い深夜電力を売り文句に、オール電化が流行している。

発電能力の制御が困難な原子力発電の弱点を補うために、余剰となる深夜電力需要を高める経営戦略です。

太陽光発電がセットされたシステムでは、昼間発電能力しか持たない太陽光発電のデメリットを最大限に生かしています。


オール電化住宅を選択した人たちは、好むと好まざるとにかかわらず、原子力発電の存続に大きく寄与してしまっている。

近くに原発がありながら、その存在に無頓着となっている長野県民は、何のためらいも無くオール電化の流行に飛びついてしまう。

オール電化住宅に秘められた環境破壊の危険性に気がつかないまま、電力会社の思惑に乗せられてしまっている。


長野県民の電力を生産している浜岡原発が、耐震性が障害となって廃炉に追い込まれたことは、今後の原発論議に多大な影響を及ぼすことになると思います。

地震に対して十分な安全性が確保できるわけではないことを、電力会社自体が認めたことになるからです。

地震学の専門家が指摘する、「地球上で最も危険な場所にある原発」から電力を得ている長野県民は、手軽なエコで自己満足していられるほどのん気な状況にはないことを自覚するべきだと思います。