・イルカを食うのは食文化

和歌山県太地町のイルカ漁がドキュメンタリー映画『The Cove』で批判されましたね。

映画の影響で米国やオーストラリアなどでイルカ漁批判が高まっているが、今年も予定通りに漁を始めました。

自国の食文化は堂々と守り抜いてもらいたいと思います。


批判している方々が、仮に完全な菜食主義者で、食物に対しても畏敬の念を抱いて農薬や化学肥料を使わない自然主義者だったら耳を傾ける価値が生じるかもしれません。

しかし現実には、自分のたちの価値観で「家畜」と「保護動物」を区別して、都合良く使い分けることに違和感を覚えないわけにはいかない。


この点については同映画のルイ・シホヨス監督が矛盾を認めている。

『確かに動物福祉問題で、僕らのようなOPS(海洋保護協会)の者が、議論で勝つことは難しいと思う。オーストラリアでは、カンガルーを殺して肉にしていたのを見たし、アメリカで家畜が殺されているのも見たことがある。一方の動物だけを生かし、ほかの動物を殺すのは、確かに矛盾がある。』

では、映画が主眼としたものは何かというと、水銀汚染だという。

『僕らが主張したいのは、このイルカの肉が人体に悪影響を及ぼすということさ。もし日本の人たちが、魚を主食としている哺乳(ほにゅう)類に、大量の水銀が含まれていることを知ったら、食べないだろう? さらにイルカの肉がクジラ肉として売られているとしたら、それにも気を付けるだろう? 最終的には、人に害をもたらす危険性があるということを考えなければいけないんだ』


イルカやクジラを食するのは過剰に殺生しないことを条件にしていれば食文化として正当化される。

私も子供のころは小学校の給食でイルカも食べていた。

しかし、問題が海洋生物の水銀蓄積となると、看過できない状況にある。

批判勢力は、問題の本質を見誤らずに、食文化は尊重し、危険な食物には警鐘を鳴らす、分別が求められていると思う。