・激安理髪店は不衛生かな?

他県の動きですが、困ったことになりそうです。

群馬県では低額カット店に洗髪設備の設置が義務づけられることになるんだそうです。

不要なサービスを削って低額の料金で提供してくれているのに、どんな理由で横やりが入ったんでしょうね。


低額カット店の進出で困っている人たちの動きをたどれば見えてくると思うんですが、やはりというかズバリです。

個人営業の店が主体の県理容生活衛生同業組合と県美容業生活衛生同業組合が、カット専門の理・美容店に対して洗髪設備の設置義務化を求める請願を県議会に提出し、昨年3月に採択されたのが発端だ。

「洗髪しないのは不衛生」と訴えていた県理容生活衛生同業組合の吉野信一理事長は「我々は清潔さが身上の商売であり、安堵(あんど)している」として県の判断を歓迎している。


群馬県ではこれまで、衛生面の実態調査や県民アンケートを実施、さらに有識者ら5人の検討委を設置して議論してきた。

実態調査によると、洗髪設備の有無で衛生状態に差が出ることはなかった。

アンケートでも、設備がないことを「特に問題ない」「快適ではないが、不衛生とは思わない」との回答は合わせて6割を超えた。

これらを踏まえ、検討委は「義務化の合理的理由は見いだせない」と結論づけていた。

検討委の委員長を務めた大河原真美・高崎経済大教授は「県の判断に反映されたのかは疑問で、違和感がある」と話している。


一方、県内に11店舗を展開するカット専門チェーンは「洗髪するかしないかは利用者の判断。義務化に意味があるのか」と冷ややかだ。

店を選ぶのは消費者だから、洗髪してほしい人は設備のある店を選ぶし、洗髪しなくていいから安いほうがいいと思う消費者は激安店を選ぶ。

消費者が選べばいいだけの話で、「衛生上の問題」はこじつけとしか思えない。


改正条例案が定める洗髪設備の設置義務は、新規出店する店に課せられ、現在すでにある店には適用されない。本当に衛生面が心配なら、なぜ現在ある店には適用しないのか。

実質的な「新規出店規制」に過ぎないことの表れだ。


業界の圧力で政治が動くという旧態依然とした関係が垣間見える。

長野県に波及しないでもらいたいな。

村井・長野知事は業界からの陳情は「袖の下」が付きものだから大歓迎するはずだ。

コンクリート業界のおねだりに応じてダムを作ることに比べたら、なんてことはない。

対岸の火事でいられることを願っています。