・25%削減で36万円負担増は嘘

日本の温室効果ガスを25%削減すると、麻生前政権では国民負担は36万円と言っていたことが「嘘」だった。

何も対策をしない場合に比べると、世帯当たりの可処分所得は36万円少ないとはいうものの2005年に比べて76万円増える。

この試算は、前政権による削減中期目標の検討過程でまとめられていた。


負担が増えるんじゃなくて、所得の伸びが抑えられるという試算だったはずが、麻生前政権は国民をだますために「負担増」としていた。

今更ながら、政権交代してよかったと思う。

また、試算には対策の進展によるハイブリッドカー太陽光発電パネルなどの価格低下は想定しておらず、この効果を見込めば可処分所得はさらに増えることが予想される。

強力な対策を取っても所得増は可能だとの試算は、新政権が打ち出した25%削減の論議に好影響を与える可能性がある。


さらに、この試算は温室効果ガスの削減を「金で買う」場合のものだ。

ずく出して、知恵で削減する場合は可処分所得はさらに増加するはずだ。

我が家では、すでに50%削減の目途が付いているが、そのために出費した経費は5万円にも満たない。

逆に灯油を一切使用しないことで、年間15万円くらいは削減している。


ガソリン代、電気代、し尿の汲み取り代などすべての削減項目を足していくと、可処分所得は年間だと最低でも20〜30万円は増加している計算になる。

温室効果ガスの節減が家計に負担になるというのは、一定のモデルケースの場合であってすべてに当てはまるわけではない。


当面の目標は10年以内に80%オフだ。

7月の主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)で、「先進国全体で50年までに80%以上削減する」と合意している。

30年の先取りを目指していることになる。

これには太陽光発電と電気自動車が不可欠だから負担はかなり大きいが、10年もたてば価格は急激に低下しているだろう。


さらに、炭素税が導入されることになれば、先んじてCO2の削減をしていることが経済的に有利になるはずだ。

温室効果ガスの削減に積極的に取り組むことで、家庭の可処分所得が増加するという、あらたなイニシアチブに期待しよう。