・田中優氏の講演会で湧いた疑問

11月3日に駒ヶ根で開催された田中優氏の講演会を紹介したところ、読者が数名参加されたようだ。

当日のブログに参加しての感想と疑問が寄せられた。⇒田中優さんの講演、拝聴してきました。

かなり的を射た指摘だったので、主催者に投げかけてみた。

主催者からの反応は以下の通り。

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田中優さんトークライブを開催させていただきました「田中優さんを伊那谷に呼ぶ会」のスタッフです。
改めまして、講演会にお越しいただきありがとうございます。

駒ヶ根に想う」ブログ開設者の方より、講演会の感想を書かれている方がいらっしゃるとのご連絡をいただき、拝読させていただきました。

講演会をお聞きになられ、いろいろ感じ、考えていただいているようで大変うれしく思います。
僭越ですが、私たちが話し合ったこと、考えていることなど、参考までに書かせていただけたらと思います。
なお、個人的な先観も入っており、全てスタッフ全員の意見ではありませんのであらかじめご了承下さい。

私達(スタッフ)自身も、田中優さんに出会い、お話を聞いた時は、本当に目からうろこで、地球温暖化をはじめとする環境、社会、経済の現状、仕組みなど、そんなことになっていたのかと大変衝撃を受けました。

特に私たちが普段使っているお金、その今までの使い方(買う物、貯金)が戦争への加担、貧困問題のどうどう巡り、地球環境の悪化に大きく影響を与えていたことに、言葉がでませんでした。

書かれているご感想の中に、具体的に自分に何ができるのかもどかしさを感じるとありますが、確かに現状を知ればしるほど、大きなことすぎて自分に何ができるのかと落ち込み気味になります。

ですが、一気に変える力はないものの、実は自分達一人一人、そして日々の一つ一つの選択が社会を形成していることは間違いなく、一歩、一歩、自分にできることを取り組んでいくことが確実に前に進むことにつながると感じています。

一人一人小さな力でも、それが集まれば大きな力になります。現在の政権交代もそれを示しているのではないでしょうか(民主党になっていいということではなく、みんなが今のままではだめだと気づいて動いた一例として)。

田中さんは、現状とその仕組みを詳しく調べ、伝えてくれるとともに、それを打開するために私たちにできることの一部を紹介して、きっかけを与えてくれます。
まだまだ、アイデア次第で、それ以上に大きな動きを起こせることもあるかもしれません。
きっと、田中さんはもちろん、他の人にはできなく、自分にしかできないこともあるはずです。

私たちが大切に思うことは、現状のままではよくならないということを再認識し、見て見ぬふりをするのではなく、現状や仕組みをまず自分自身のこととして知ろうとすること、それに対して自分がどう感じ、何を行動できるかを考え、そして何より小さなことでも 自ら実際に動くこと、機会があった時、また機会を作り、人に伝えることです。

この会を運営しているスタッフも、一人一人、何か実績があって動いているものばかりではありません。よりよい社会、地球環境へ、そしてそれを次世代へ受け継いでいきたいという思いで、自分ができることを考え、周りに伝え、全体からみれば小さなことかもしれませんが行動している次第です。

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また、二つめの、「汚染された食料で命をつないでいる人々」と「農薬」の関係について、これらの原因は、“根”が同じ一つのものだということ、それが田中さんの話の論点と言えるのではないかと思います。

結論を簡単に言ってしまうと、「汚染された食料で命をつないでいる人々」を、現在もその状況に置かせているのは、「多国籍企業」です。

その多国籍企業は、「全世界の人々に必要な食べものの2倍の量」の食糧を、世界中で常に、自社や先進国の有利益のために動かしているのです。そのために、実は2倍もあるはずの食糧が貧困国に行かないのです。

そして、「農薬産業団体」というのは、その多国籍企業の一つであり、世界中に「農薬を使う」方向への操作をして、さらに、逆らう動きをつぶす圧力団体になっています。

つまり「貧困国に十分な食糧が行かない」のも、「農薬を世界中で使わせている」のも犯人は同じなのです。それが、自分の側が利益を得さえすればいいという考えの「多国籍企業」の戦略なのです。

田中さんが言っている農薬問題は、この「多国籍企業」に経済を操られるだけでなく、人々の生存の問題まで牛耳られることを阻止していこうということが、根幹にあるのだと思います。                     (田中さんにかなり取材したスタッフから)

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今、飢えに苦しんでいる人たちを貧困に陥れたのも、彼らから自立する力と術を奪っているのも「多国籍企業」であり、それを支えているのは悪気がなくとも安さと便利さを求め生活している我々であるという現状を認識し、変えていけるよう動かなければ問題は一向に解決しません。この問題についても、やはり我々にできることを考え、行動すべきことと考えます。

最後に、田中優さんのブログを紹介させていただきます。
田中優の'持続する志'」http://tanakayu.blogspot.com/

以上、長くなりましたが、参考になれば幸いです。
是非、よりよい今、 素晴らしい未来に向けて、一緒に歩んでいけたらと思います。
ありがとうございました。

                      「田中優さんを伊那谷に呼ぶ会」スタッフの二人より