・次世代省エネ基準を目指して

断熱リフォーム計画がどんどん深みにはまっている。

暖房熱負荷計算をやり始めたら、変動ファクターがたくさんあってシミュレーションのパターンが増えるばかりだ。

目安をどこかに作らないとエンドレスになる。


省エネ住宅という定義があって、住宅の熱収支をQ値で分類している。

昭和55年には旧省エネルギー基準が制定されていて、外気に接する屋根(天井)・壁・床への断熱材施工の基準が示されている。

長野県はQ値が4.7の地域に分類されている。

新省エネ住宅(平成4年省エネルギー基準)はQ値が3.3で、次世代型省エネ住宅だと2.4。

Q値とは熱損失係数のことで、暖房だと住宅から熱が逃げていく割合を示している。


我が家は築30年になるから、省エネ基準制定直前の住宅であって基準は意識されていない。(中古で手に入れたので仕方がない・・・。)

試しにQ値を算出すると7以上だから、省エネという定義には程遠い。

最も暖かい分類の沖縄で、古い方の省エネ基準がQ値8だから、長野県でこの状態の住宅に暮らすことがいかに寒いのかが分かる。


どうせなら次世代省エネ住宅のレベルにしてしまおうと、壮大な妄想に取りつかれ始めている。

低コストで達成できれば万々歳だが、簡単ではないことは熱負荷シミュレーションをしたことがある人ならわかるだろう。

家全体を一気にやるのは大変なので、居室単位で一部屋ずつ計算していく。


まずは居間から。

いろんな断熱材を組み合わせて、一万円台の資材費で次世代基準をクリアーするのを目標にする。

その断熱仕様で計算した居間の熱負荷計算書を欄外に示す。


ポイントになるのは、中空ポリカーボネート板の採用だ。

子供部屋などに採用したインプラス(内窓)と同じように使うと、インプラスよりも断熱性が高い。

中空ポリカーボネート板は透明だが完全にクリアーではないので、外の風景が見えなくなるのが難点だ。

だから貼りっぱなしではなくて、引き戸状にして開け閉めできるように加工しなければならない。


倉庫や屋外の廃材を探してみたら、古い建具(板戸)が出てきた。

板をはずして中空ポリカーボネート板をはめ込めば、行けるはずだ。

日曜大工で敷居と鴨居を増設して、板戸を改造した中空ポリカーボネート戸を取り付けることにする。


低コストでできるポイントは、床断熱を省いた点だ。

畳による断熱でも、省エネ基準をクリアーすることができる。

こうやって当然と思われている断熱材の仕分けができるところが、詳細な熱負荷計算をした成果だ。


面倒な計算をするのは、コストを切り詰めるための努力の一つであるが、自己満足の占めるウェイトもある程度ある。

計算しながら部屋の断熱性が向上していくと、なんだか暖かくなったような気になる。

実際に断熱作業を終えなければ計算通りの暖かさは得られないのに・・・。





   室温15外気温-10隣室温10
  要素面積貫流熱損失係数温度差熱負荷w面積当たり
居間外部天井+GW12.960.419 5.429 25136 10
 畳+カーペット12.960.992 12.851 25321 25
 小計25.92  18.279  457 29%
内部間仕切り壁19.442.160 41.990 5 210 11
 ふすま3.24 2.500 8.100 5 41 13
 板戸4.32 4.222 18.239 5 91 21
 ガラス戸3.244.484 14.529 5 73 22
 小計30.24  82.858  414 26%
  56.16  101.138  871 55%
縁側外部天井+GW3.240.419 1.357 2534 10
板壁+GW0.90.626 0.564 2514 16
上窓+ポリカ内窓+カーテン1.441.988 2.863 2572 50
窓+ポリカ内窓+カーテン6.481.988 12.883 25322 50
床+発泡スチロール3.240.626 2.028 2551 16
 小計15.30  19.694  492 31%
内部間仕切り壁2.792.160 6.026 5 30 11
フラッシュ戸1.62 2.306 3.735 5 19 12
小計4.41  9.762  49 3%
  19.71  29.456  541 34%
 合計75.87 1.72 130.593 1412 w
 1215 kcal
 容積換気回数 
  隙間風39.690.500 6.946 25174 11%
 1586 w
 1364 kcal
 Q値2.34 m2単位98 w
  床面積16.2m2 84 kcal