・簡単で高性能な手作り内窓
週末の断熱リフォーム紹介の二日目は、トイレの窓です。
ここもヒートブリッジでアルミサッシ枠が結露して、凍結する場所です。
窓ガラスとアルミサッシは、外側の網戸レールに中空ポリカをはめ込んで断熱してあるので大丈夫ですが、枠が外気を室内に伝えてしまう。
さらに結露を防ぐためには、アルミサッシ枠への湿気の供給を遮断する内窓の設置が効果的だ。
内窓といっても高価なメーカー品ではなく、簡単な構造の自作です。
寒さ我慢するのではなく、手間を惜しなければ見栄え良く暖かくなります。
ホームセンターに「ガラス戸レール」という商品があって、本来はガラスで食器棚などに引き違い戸を設置する時に使われるプラスチック製の敷居と鴨居です。
上下セットで1mものが200円くらい。
これを窓サッシの手前に釘で打ち付ける。
両面テープでもいいが、耐久性を考えると細くてもいいので釘の方がいい。
中空ポリカをレールの寸法に合わせて切り分けてレールにはめ込むだけで簡易二枚引き戸になる。
開け閉めするには取っ手をつけるが、ポリカーボネートは難接着性なので接着剤の選択には気をつけたい。
セメダイン 超多用途スーパーXがお勧めです。
断熱性を左右するのが中間空気層の密閉性。
隙間風があっては空気層の密閉性が低くなってしまって断熱性が下がる。
ポリカーボネートの端面と柱の隙間がなくなるように、溝つきの角材を柱に打ち付けてポリカーボネートの端を差し込むようにする。
このひと手間が断熱性能に大きく影響する。
見た目を気にせず調整するのが面倒な時には、ウレタンの隙間テープを使ってしまってもいいと思う。
戸の重なりの隙間は隙間テープやモヘヤシールでは厚すぎるので毛糸を両面テープで貼りつけると具合がいい。
中空のポリカシートを外と内に加えた五層の三重窓は、熱貫流率(K値)が1.75W/m2・Kと、窓としては最高級の断熱性になる。
結露はピタッとなくなるし、熱負荷も73%カットできた。
さらに気密性を高めればK値を小さくすることも可能だが、手間がかかるので後回し。
トイレは北にあるし、24時間の三種換気なので居室や廊下の湿気を含んだ空気を吸い込むから、すごく結露しやすい環境にあった。
結露した水で木の窓枠は変色していた。(腐食まではいかないが)
これで一安心。
費用は3300円なり。
同程度の性能のメーカー製内窓だと材料費だけで5万円(定価ベース、単層ガラスでも3万円する)。
15分の1の低予算でした。
画像では見た目がいま一に見えますが、ポリカーボネートを使った建具は最新住宅でも軽量建具として活用されている。
細工する当人の技術レベルが大きく影響するので、誰がやっても遜色のない出来栄えになるわけではないが、ホームセンターで売られている結露防止シート(要するに梱包材のプチプチ)を貼りつけることに比べれば絶対に効果は上だし見栄えもいい。
寒さをやせ我慢したり、ビショビショに結露した窓をセコセコと拭いている方がよっぽど貧乏くさいですね。
ちなみに我が家の簡単手作り内窓はマスコミも取材に来て出来栄えに感嘆されてますよ。
みなさんも日曜大工の腕の見せ所だと思います。