・古建具を使った高性能内窓

この週末の断熱リフォームメニューは、廊下の掃き出し窓とトイレの窓に内窓を増設し、台所の小窓を閉じる。

ヒートブリッジ(熱橋)によるアルミサッシ枠の結露が激しい場所です。

今日と明日の二回に分けて具体的に紹介します。


今日は廊下の内窓から。

廊下は2間幅の掃き出し窓で、上部の欄間窓を含めると高さは2.2m。

大きな熱負荷になっているので4枚引き戸の一枚と欄間窓は、グラスウールパネルと発泡スチロールですでに閉じてあります。


残った3枚引き戸に内窓を付けるのだが、メーカー品だと単層ガラスでも10万を超える高額商品だから自作します。

自作といっても古建具に中空のポリカーボネートをはめ込む簡単な工作です。

増設する敷居と鴨居も住宅解体の古材が使えるし、柱になる角材はあり合せ。


古建具はいわゆる「板戸」というもので、作られたのは明治のころではないでしょうか。

何年か前に旧家のご主人から「家をリフォームして建具がいらなくなるけど、いる?」と声を掛けられた時にもらってあったものです。

板戸の板(鏡板)を外すと7ミリ幅の溝がほられているので、4mm厚さの中空ポリカがすっぽりとはまります。

古い建具なので分解するのは簡単だけど、もう一度組み立て直すのが難しいから、木ネジでくっつけちゃいます。


建具と敷居と鴨居は一般的な寸法が決まっているので、流用が簡単にできる。

元からある柱に添わせて鴨居と敷居を受ける柱を立てる。

敷居と鴨居の長さは、古建具を3枚並べて一か所だけ重なりが一分(30ミリ)になるように引き算した寸法に切る。

建具が歪んでいる時は、歪みに合わせて柱を傾けて取り付ければ大きな隙間はできない。


残った小さな隙間は、毛糸を両面テープで張り付けて隙間シールの代用にする。

引き戸の引き違いにできる隙間は、「隙間モヘヤシール」を使うと開け閉めに支障なく隙間を塞げる。

簡単だと思ったが、やり始めてみるといろいろと問題が生じて、結局一日かかってしまった。


こうして廊下の掃き出し窓は、3重窓の高断熱仕様になった。

カーテンを含めた断熱性能=熱貫流率は1.57W/m2・Kと高級ペアガラスサッシ(LowEガラス)を凌ぐまでに向上した。

熱負荷は1/4以下に激減。


費用は、昨年施工した中空ポリカによる二重窓化も含めて1万6千円なり。

トステムの内窓(インプラス)でLowEを使って同程度の高性能にした場合に比べると20分の1と超低予算。

手間賃を考えても断然安い。


今朝はこの冬一番の冷え込みで、朝6時には外の寒暖計はマイナス10℃!

それでも廊下のサッシは一切結露しませんでした。

低予算で効果抜群ですよ。