・遮熱と断熱の違い

昨日はブログが物足りないと言われ、今日は期待しているよと励まされる。

ブログを書き続けていてうれしいのは、こういう反応がダイレクトに伝わってくること。

本家と分家のブログと合わせて累計160万件のアクセスをいただいていますが、いち駒ヶ根市民の想いをつづるだけの「駒ヶ根に想う」に多大な関心を寄せていただけることに感謝します。


断熱リフォームは、じわじわと期待の声が大きくなっていることを感じています。

新築の家に住みながら「結露に悩まされている」という相談もあり、現状の住宅建築の質の低さがひしひしと伝わってきます。

先日、住宅断熱の専門家(大学の先生)とお話をする機会がありましたが、「今建てている家でも、その多くが次世代省エネルギー基準を満たしていない。断熱不足の住宅を建てている工務店やメーカーが多い」と、衝撃の現実を知らされました。


一般の施主は家を建てるという一大事業に頭がいっぱいで、住宅の細かな仕様にまで十分な知識を持つのは難しい。

頑張っても、内装やキッチン設備への関心が高まる程度ではないかと思う。

コストパフォーマンスに優れた住宅断熱の選択は、ほとんどの一般の施主では無理だと思う。


また、断熱技術にしても従来から確立している「熱伝導」という概念に加えて、比較的低温域の「輻射熱」の取り扱いで業界の技術確立が遅れているようだ。

断熱に対して遮熱とも言われるが、信頼できるデーターが一般的になっていない。

簡単に説明すると、グラスウールなどの熱を伝えにくい「断熱材」に対して、アルミ箔などの熱反射材で輻射熱をはね返してしまう「遮熱材」。


「米国航空宇宙局(NASA)で研究開発され」といった誇大広告を時々見かけますが、ある限定された条件下では極めて優れた性能を発揮するものの、期待はずれの状況も多々あるということが説明されていない節がある。

一般ユーザーに断熱と遮熱の違いを論じるのはあまりにも敷居が高いと思いますが、新築を考えている人はメーカーや工務店の思い上がりに騙されないようにしっかりと知識を付けておく必要があります。

遮熱と断熱の違いは、技術が確立しているとは言えない。(少なくとも汎用性の高い技術文献が広まっていない)

特に、信州のように夏の暑さよりも冬の寒さに備える住宅が求められているところでは、遮熱に依存した家づくりは危険な場合が多い。


斯く言う私も、遮熱技術は、太陽熱を受ける壁体についてのみ概念として持っていましたが、それ以外の場面では強く意識していませんでした。

我が家の断熱リフォームでも、一部を除いて遮熱を取り入れていません。

一部に該当するのは、高熱の輻射熱を発する薪ストーブの廻りやガスレンジの脇には、アルミの遮熱板を設置して熱の有効利用をしています。

また、グラスウール断熱材の半面はアルミ箔で構成されていて、意識しなくても遮熱の恩恵を受けています。


遮熱を効果的に使えるようになれば、既知の断熱技術との組み合わせで、さらに低コストで高効率の断熱リフォームが可能と考えられる。

今後の課題であります。

参考サイト

遮熱断熱材の勘違い