・中3の塾通いに全国平均32万円

中学3年生の子供を持つ家庭が一年間に支出する塾や家庭教師の費用は31万6千円。

文部科学省の「子どもの学習費調査2008」のデータです。

皆さんの家庭でも、こんなにも費やしてますか?


平均でこれですから、多い家庭は1ケタ上に行っていてもおかしくないですね。

我が家のように0円という平均を下げる家庭があるのですから。

高校受験に備えた臨時出費という色合いが濃いようですが、中1〜3の平均でも18万8千円です。


全国平均だから高いのか、都会が高くて地方が低いのか、はたまたその逆なのか、細かいことは分かりません。

15歳の人口は約145万人だから4500億円もの巨費が、中学三年生を持つ家庭から教育産業へ流れていることになる。

小学校と中学校のいわゆる義務教育期間では1兆2400億円!


学校で教える知識では受験できないということなんでしょうか。

受験生がいる家庭の親がこんなことを言うと「世間知らず」と批判されそうですが、学校の勉強をしっかりやっていればこれほど多額の出費は不必要ではないかと思いますがいかがでしょう。

このデータをみると家庭外学習に通わせない我が家のような家庭は少数派なんですね。


富める家庭は金にものを言わせて学力を身につけ、貧困にあえぐ家庭は義務教育で我慢しなければならないという構図のようにも思えますが、違和感がある。

エリートを養成するために、子どもらしい人格形成を犠牲にしてでも『知識』を詰め込んで、それで優れた人材が育つとは思えない。

金をかけずとも家庭のちょっとした心掛けで子どもの『知恵』を育むことはできると思う。


うちの受験生がどこの高校に合格するのかは、もう少し先まで待たなければならない。

長女と同じ学校を目指しているが、受験は何が起こるか分からないから努力あるのみ。

こうして親父がブログを書いている後ろで、当人は一生懸命に受験勉強している。

親と一緒に勉強したいというわけではなく、居間が一番ぽかぽかと暖かいからだが。


話がそれたが、家庭が自助努力で義務教育期間に1兆円を超える費用を負担しなければならない日本の教育システムは破たんしているのではないか。

義務教育がダメなのか、家庭の教育力が低下しているのか。

よその家庭のことはわからないが、我が家の教育方針は、家庭では知恵を身につけ、学校(義務教育)で知識を学ぶとしている。


家庭で身につける知恵とは、簡単に言ってしまえばお手伝いだ。

頭と体を使って家庭生活の一翼を担わせる。

例えば、風呂を沸かすのは子どもだけの仕事であって、太陽熱で足りない熱は薪風呂釜で加熱する。

浴槽に張られた水の温度と適温のお湯の温度差に見合った薪の種類と量を判断できなければ沸かせない。

雨の日や雪の降る寒い日など、周囲の環境条件の変化も頭に入れて、なおかつ午後6時を目途に沸かすことが求められる。

なかなか難しい仕事だと思う。


子どもたちにお手伝いを指示した時に、決まって交わされる会話がある。

未知のお手伝いを言い渡されると多くの場合は「どうやるの?」と聞く。

手とり足とり教えれば早く作業は片付くかもしれないが、子どもたちにはこう言うことにしている。

「頭を使え」。


突き離されれば自分で5W1Hを整理して解決の道を探るしかなくなる。

時間はかかるが、こうして知恵がはぐくまれるのだと思う。

よその家庭が塾に通わしている時間に、我が家の子どもたちにはお手伝いのノルマが重くのしかかっている。

家計は助かるし、家庭も助かるし、当人たちも詰め込まれた知識ではなくて生きた知恵が身につくので、こっちの方が理にかなっていると思うのだが。