・剣客商売の小兵衛はどうなる

俳優の藤田まこと氏が亡くなった。

大ショックです。

剣客商売の小兵衛がいなくなってしまった。


欠かさず見るテレビドラマは池波正太郎原作シリーズで、これは何物にも勝る優先順位になる。

中でも剣客商売は、映像の出来栄えに惚れぼれしながら「鑑賞」するに値する。

最重要な登場人物が小兵衛だ。


池波正太郎が実際に小兵衛をイメージしたのは人間国宝の二代目中村又五郎だ。

鬼平犯科帳では何度かゲスト出演されていた姿が最も印象に残っています。

まさに飄々としつつ凛とした佇まい、池波正太郎が惚れ込んだお人だろうと思いますし、池波ファンとしても同じです。

1982年と83年に、その中村又五郎が演じた小兵衛が放映されたようですが、その頃はまだ池波正太郎の世界に触れていなかった。


池波正太郎の時代劇シリーズは、剣客商売全16巻はもちろん、鬼平犯科帳全24巻、真田太平記全12巻など長編はほとんど蔵書して読みふけった。

サラリーマン時代の通勤は、ほとんどの時間を池波正太郎の世界に没頭したと言ったら言い過ぎかな。

もちろん単発ものでも書店で見かければ、無条件に買います。


原作から池波正太郎の世界に入り込んだので、テレビドラマには多少の違和感が生じることもある。

ドラマは原作に忠実ではないですから。

極端な例は、剣客商売だと長次とおもとの関係が全く異なる。

配役も三冬に寺島しのぶをもって来たときには、正直愕然としました。

寺島しのぶのは良い女優だと思いますが、三冬の清純なイメージとはかけ離れてしまっている。


さて、話は戻ってこれからの小兵衛はどうなるんだろうか。

本命の二代目中村又五郎は昨年二月に没している。

現状では適役だった藤田まことも昨日亡くなった。

剣客商売のスタッフは頭を抱えているだろう。


藤田まこと氏のご冥福をお祈りするとともに、彼に勝るとも劣らない小兵衛役の登場に期待してやまない。