・駒ヶ根病院事故現場からの証言

駒ヶ根病院の事故現場で働いていた作業員の方から、リアルな実態を報告してもらいました。

元請けと、その下請けによるずさんな工事体制の実態です。

全文を引用してご紹介させていただきます。

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私はたまたま自分の現場が暇になったので応援でこの現場に入っていました。

実はこの時玉掛けをした作業員の会社は型枠会社のさらに下請けでこの型枠会社には長年現場でよくいっしょになる仲の良い職人がいて聞いたのですが、この会社は職人をただの使い捨てのように扱っており、この不景気で長年使っていた職人を何人も切り捨てたそうです。

型枠の会社には型枠を外す解体屋と言う仕事があり、この解体屋を去年全員解雇したそうです。


その後この駒ヶ根病院の仕事が入り、いざとゆう時に解体屋が居ないとゆう事になり寄せ集めのあまり仕事を知らないような下請けに丸投げしこのような事故をおこしてしまったようです。

きっとこの会社は孫請けに責任を押し付け仕事がなくなっても他のゼネコンの下でのうのうと生きて行くでしょう。

泣かされるのはいつも職人。


下請け会社も責任を負うべきです。

でなければこの会社の職人たちは仕事が無ければ切り捨てられ怪我をしても労災は使わせてもらえずいつも泣かされるばかり、この業界にはこういった会社が沢山あります。

職人が安心して仕事ができる職場のためにもゼネコンだけでなく末端までしっかり責任を明らかにしてほしいと思います。

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コスト削減で危険作業を強いられるクレーンを使わせた元請け。

安全装置を解除しながら危険なクレーン操作をした下請け。

クレーンの荷重を大幅に超える玉掛けをした孫請けの型枠会社。

複合的に危険な工事現場を構成した元請け、下請けの組み合わせが招いた悲劇だったようです。


型枠会社が工事の体制が整っていないのに発注した元請けの責任は重大ですね。

もちろん、能力のある作業員(解体屋)を解雇してしまって、まともな仕事ができない状態でも型枠工事を受注した下請けは責められるべきだ。

発注元の長野県は、こうした負の連鎖を招くことを知らずに工事を出したのだろうか。

入札は適正だったのだろうか。

談合が介在していたのではないかと疑いたくなる。


悪が多すぎて、実態解明と責任の所在を明らかにするには、警察だけで足りるのだろうか。

国土交通省が乗り出して来ても大げさではないほど、駒ヶ根病院における事故は建築現場の悪質さが凝縮している。