・漫然と農薬の空中散布が続く駒ヶ根

国政にばかり目を奪われていると、足元の市政が野放しになってしまう。

駒ヶ根市の杉本市長は、辞任する鳩山首相の数倍も能なし(市職員の評価)なのだから問題は深刻です。


その一端が垣間見られるのが松くい虫防除への対抗策。

林業全般に見られる傾向として「虫には薬を撒いておけ」というこれまでの安易な考え方は改められています。

しかし、駒ヶ根市では松くい「虫」なんだから「農薬」散布は当たり前という固定概念から脱却できません。


長野県内では上田市などが先頭を切って農薬の空中散布を中止する動きが活発になっています。

虫を殺せば問題が解決するという短絡的な発想では、松くい虫被害の根絶が成し遂げられないからです。

農薬散布で松枯れがなくなるなら、とっくの昔に西日本で被害拡大が止まっているはずです。


農薬の消費量拡大、散布従事者の雇用確保など「波及効果」が目的化されている恐れがあります。

薬の効果で被害拡大が抑えられているような錯覚に陥り、かつての田畑のように「農薬なしに作物が作れるか!」に傾倒してしまっている。

県内でも少数派になった有人ヘリコプターによる農薬の空中散布に取り組む駒ヶ根市は、その典型です。


平成21年度の上伊那地方における被害量は、5,539立方メートルで、昨年度の6,357立方メートルに比べ、800立方メートルほど減少する見込み。

駒ヶ根市は、3,410立方メートルから2,075立法メートルと大幅に減少が見込まれる。

頑なに空中散布をやり続ける必要性には疑問符がつく。


劇的に被害が減少しているのだから、緊急避難的に健康被害を無視して空中散布を続ける理由はなくなっている。

漫然と【松くい虫=空中散布】と信じて疑わない杉本・駒ヶ根市長の思慮の浅はかさは、鳩山首相をはるかに凌ぐ。