・生ごみは地球温暖化を救う

【すごいぞ!ニッポンのキーテク】生ごみバイオ燃料に変身! 新日鉄エンジの魔法のプラント (1/3ページ)

トウモロコシやサトウキビなどのバイオマス(生物由来の有機資源)を原料にした再生可能燃料「バイオエタノール」。ガソリンに混ぜて使われるが、二酸化炭素(CO2)排出量削減に効果があるため、石油依存脱却につながる代替燃料として期待されている。

 このバイオエタノールを食品廃棄物(生ごみ)から作り出す新たな技術を、新日鉄エンジニアリングが日本で初めて実用化することに成功。専用プラント「食品廃棄物エタノール化プラント」の販売に乗り出す。

 新技術は、家庭や事業所から分別収集した1日当たり約10トンの生ごみ(乾燥重量で約2.9トン)を破砕した上で水を加え、酵素を添加して含まれているデンプンを糖化する。この糖を酵母で発酵させることで、約500リットルのエタノールを製造することができる。

 エタノールだけでなく、生ごみに含まれる植物油や動物油をもとにした回収油も約700キロ製造できるため、エネルギー回収効率が高いのも特徴だ。

 このプラントで処理すれば、通常のごみ処理施設で生ごみを焼却する必要もなくなり、焼却灰を高温で処理することもないため、この面でもCO2排出量削減にもつながる。  =2010.6.26 産経ニュース=

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生ゴミを焼却している現状は実に馬鹿げている。

資源の有効利用の視点が欠如した行政の怠慢の表れだ。

「燃やして減量化」が行政の一つ覚えで、有機物として貴重な地球資源の一つだということに一向に着目しようとしない。


今回の新日鉄の技術は、大型溶融炉の建設に限界を感じたメーカーの自浄能力が発揮されている。

ゴミは溶かしてしまえば資源化されて再利用されると、おバカな行政マンたちをだまして来たものの、続かないと見切りをつけたようだ。

資源化効率の点で他の技術よりも優れているのかどうかは分からないが、焼却や溶融よりも優れていることは明らかだろう。

すくなくとも、有機物をすべて排気ガスにしてしまう現在のゴミ処理とは違う次元の話だ。


生ごみの処理には「堆肥化」が有力だが、都会では異臭などが課題となって普及していない。

技術的にも未熟だし、生成された堆肥の用途も、対価に見合う効果が上がるとは限らないので進んでいるとは言い難い。

地面をたくさん持っている田舎の農家でも、生ごみを焼却ゴミに出すことが少なくないので、効果的な資源化は社会負荷の低減に寄与する可能性が高い。


うちは、生ゴミをもらって来てでも堆肥の材料にしたいほどだ。

草刈した雑草も、おがくずも、し尿もすべて堆肥化して田んぼと畑の微生物に栄養として提供している。

おいしい作物が育つのは当たり前で、なおかつ化学肥料を購入する金銭的負担やバキュームカーを頼む費用を軽減してくれる。

廃棄物がもつ資源としての存在価値を的確に見定められれば、健康にも、環境にも、財布にも良い影響が与えられると思う。