・長野知事選は政党色とバリアフリー

長野県の腰原副知事が県知事選挙への立候補を表明しました。

ギリギリまで本人は迷ったようですが、まわりをガチガチに固められたうえに、出馬を前提にした報道が広まってしまったために退路を断たれたようです。

関係者から直接聞き取った話なので単なる噂とは重みが違いますよ。


一方、民主党との蜜月を演出することを選択した阿部元副知事は、今週中に政策協議がまとまったことにして支援を受けると発表するとみられている。

政策協議に入るとの記者会見をテレビで見たが、かなり違和感があった。

会見に臨んだ三人(阿部氏、倉田・民主党幹事長、近藤・連合長野会長)の並び順だ。


テレビ画面で左から上記の順で並んでいたのだが、なんで主役であるはずの阿部氏が中央でないのだろうか。

会見の印象は、民主党主導が印象付けられていたと思う。

別の言い方をすれば、阿部氏は影が薄かった。

民主党長野県連が県知事を作り上げると誇示したい思惑があふれていた。


こんな光景を少し前に見た気がする。

長野市長選挙で泡沫候補を担ぎ出して、市民派の有力候補だった高野氏の足を引っ張って当選を妨害した時のことだ。

民主党長野県連が選挙を主導すれば、県民の意思を無視して「我が利を得たい」と突っ走ってしまう。

阿部氏が長野市長選挙の経緯を知らないはずはないから、そうまでして民主党に頼らざるを得ない状況に追い込まれているのかもしれない。


松本氏が純粋な民間人であることは誰もが認めるところだが、支援組織に田中康夫共産党の影がちらつくことが気に入らないとする声が少なくない。

松本氏が言うところの全方位外交だから、積極的に誘うことはないが来るものは拒まないでいけばこうなるのは避けられないと思う。

ただし、これだけが支援組織だよと選挙を戦うようだと支援の輪は広がりにくい。

知事になるんだから特定の政党に偏らず、県民益のために広く政党からの声を聞く姿勢が望まれる。


長野県の民主党自民党が特定の候補を立てたからといって、それぞれの政党の本部もそうだとは限らない。

例えば、北澤防衛大臣を落とすべく頑張っている民主党の高島陽子候補とは連携できるところが少なくないと思う。

民主、自民をやり玉に挙げている「みんなの党」とは利害が対立しない。

松本氏の温厚な性格は、平和を標榜する社民党には受け入れやすいのではないか。


政党色を強く押し出した腰原と阿部の両氏と、政党との関係をバリアフリー化している松本氏の違いは、知事選挙で大きな争点になりそうな予感がする。