・明かりのLED化で見えにくいこともある

昨年LED化された安宅港口灯台の太陽光パネルを磨く海保の職員(小松市安宅町で)LED灯台、「見えにくい」戸惑いも


昨年LED化された安宅港口灯台太陽光パネルを磨く海保の職員(小松市安宅町で) 石川県内の灯台で、白熱電球からLED(発光ダイオード)への切り替えが進んでいる。

 二酸化炭素排出量の削減が大きな目的で、今年度中に新たに3基がLED化される予定だ。一方、白熱電球より光の到達距離が短いLEDの特性のため、漁業関係者からは戸惑いの声も寄せられている。

 県内では1992年、七尾港の府中防波堤東灯台が初めてLED化された。9月末現在で、県内98基ある灯台の内、既に7割近くがLEDだ。

 第9管区海上保安本部(新潟市)などによると、LEDは白熱電球に比べて寿命が長く、エネルギーは太陽光発電で供給されるため、二酸化炭素排出量が従来の約10分の1になる。灯台によっては、2か月に1度の点検が1年に1度程度で済む場合もあり、人件費も削減できる。また、灯台まで電気を引くのに使っていた電柱や電線も不要になるため、景観も良くなり、災害時に消えてしまうこともなくなるという。

 一方、金沢海上保安部によると、昨年11月にLED化された安宅港口灯台小松市安宅町)の光の到達距離は、約26キロから約半分の約14キロへと大幅に短くなった。安宅港付近を行き交う船の9割は、目視だけでなくGPS機能やレーダーなどによって港の位置を確認するため、航行に支障はない。

 しかし、漁船の中には、灯台の光だけを頼りに航行する船もある。県漁業協同組合小松支所の森田誠支所長は「LEDは照らす距離も、点灯時間も短く、光も真っ白で町の光に混ざってしまい見えにくい。もっとわかりやすい光にしてほしい」と話す。

 また、地元の漁師の男性(65)は「船の安全を守るには、レーダーの確認だけでなく目視が基本。10キロ余り離れると光が見えなくなるのは不安」と漏らす。

 現在、LEDの光が届くのは最長で約23キロまで。そのため、約30キロまでを照らすことのできる大野灯台金沢市大野町)など、沖合を航行する船舶のための大型灯台は、白熱電球の使用を続けている。

 また、最近の灯台は点滅式がほとんどだが、一瞬で明るくなるLEDよりも、緩やかに明るさを増す白熱電球の方が、海上からは見やすいという声も、同海保には寄せられているという。同海保は「距離が短くても、ほかの灯台の明かりが手がかりになるので安全性は変わらない」としており、漁協との話し合いや光の見え方などの調査を並行して行いながら、LED化を推進していくという。 =2010年10月6日 読売新聞=

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何でもかんでも明かりをLED化すればいいというわけではないようです。

光の到達距離が白熱電球の半分しかないというデメリットがあるんですね。

エネルギー効率だけではなく求められる性能を発揮できるかどうかも重要だということです。


我が家もLED電球を、ところどころに導入しています。

すぐ明るくなる特性を生かしてトイレの照明。

0.3wという超省電力のナツメ球を廊下の常夜灯。

玄関灯もLED電球に代えました。


すでに白熱電球は全廃して蛍光灯に代えてあるので、電気代の節約にはほとんど効果がありません。

電球型蛍光灯の10倍くらいは高価なので、すべてをLED化するのはまだまだ先の話です。

それに、LEDの明かりにはいろんなデメリットがあるので、必要としている明かりの性質を考えて交換しないと使いづらくなることもあります。