・携帯回収でゴリラを救え

レアメタル産地、追われるゴリラ 携帯電話回収で守れ


 携帯電話やノートパソコンに使われるレアメタル希少金属)の採掘地のアフリカ・コンゴ(旧ザイール)で開発に追われる野生ゴリラを守ろうと、日本のNGOが、国連地球生きもの会議(生物多様性条約第10回締約国会議=COP10)にあわせ、名古屋市内で使用済み携帯電話を回収する。レアメタルの再利用を進めるとともに、その収益を現地の保護活動に寄付するのが狙いだ。

 「国際青年環境NGO A SEED JAPAN」が、「ケータイゴリラ」キャンペーンとして2年半ほど前から取り組んできた。生きもの会議の本会合が開かれる18〜29日に、名古屋市熱田区名古屋国際会議場近くの交流フェア会場(熱田神宮公園)にある生物多様性条約市民ネットワークのイベントブースで回収する。

 コンゴは、携帯電話やノートパソコンの小型コンデンサーの材料として使われるレアメタルタンタル」の鉱石の採掘地。野生の東ローランドゴリラの生息地と地域が重なる。

 コンゴ東部のカフジ・ビエガ国立公園でゴリラを守り、人との共存を目指す現地NGO「ポレポレ基金ポポフ)」代表のジョン・カヘークワさんは「村の人たちは森の中へ入りタンタルの採掘をしている。それによって東ローランドゴリラが脅威にさらされている」と話す。

 採掘はスコップで掘り進める方法だ。数カ月間、森の中に野営して採掘をすることもあり、まきにするために木が切られて生息地が狭まるだけでなく、ゴリラを捕獲して食料にしているという。15歳未満の子どもや女性も採掘労働者になっているといい、貧困が採掘へと向かわせているようだ。

 ポポフは、エコツアーをしたり、地元の人たちと植林をしたりして、ゴリラを保護しながら暮らしも成り立つような活動に取り組む。

 ゴリラの研究者で、ポポフ設立を支援し、日本支部代表を務める山極寿一京都大学大学院教授によると、東ローランドゴリラの数ははっきり分かっていないが、1990年代に比べて半数以下に減ったとみられている。国際自然保護連合(IUCN)が絶滅の恐れがある種にしている。

 「A SEED JAPAN」理事でキャンペーンを担当する羽仁カンタさんは、携帯電話回収の狙いについて、タンタルなどレアメタルを再利用する▽再利用による収益をポポフなど地元へ寄付する▽メーカーに対して自然や野生動物に悪影響を与えない原料を調達するよう働きかけることを挙げる。

 これまでに8700台余りを回収した。1台につき50円程度の収益になり約35万5千円が寄付につながった。

 山極教授は「日本の人たちは現地で起きていることにもっと注目してほしい」と話す。ポポフ日本支部もグッズ販売などを通じて現地の活動資金を援助している。詳しくは同支部のホームページ(http://jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp/Popof/index.htm)。 =朝日新聞 2010年10月17日=

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資源の回収と再利用という当たり前のことが行われていないから、中国になめられてしまうんです。

生態系の保護とも密接するのだから、日本は率先して世界にアピールするべき。

それがやがて、中国を野蛮な国家として世界から軽蔑させることにつながる。

力はあっても軽蔑されているとなれば中国でも考えを改めるかもしれませんよ。