・放射能の危険性が低く見せられている

放射能汚染の被害は人体だけではなく、すべての生物に現れます。

特に、農産物への影響は、内部被ばくとの関係もあって神経質になってくると思います。

日本政府は、かなりすばやい動きを見せています。

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放射能に汚染された飲料水・食品規制へ 厚労省が基準値

2011年3月17日 朝日新聞

 福島第一原子力発電所の事故を受け、厚生労働省は17日、放射能に汚染された食品の出荷や販売を規制する基準値を設け、全国の地方自治体に対し、検査するよう通知した。事故後、原発周辺の環境から放射性物質が検出されたが、食品の放射能汚染について規制する指標がなかった。

 対象となる食品は、飲料水、牛乳、野菜、肉、卵、穀類など。放射性のヨウ素セシウムなどについて検査する。通知は、全国の自治体を対象にしたもので、対象範囲や品目については限定しなかった。農林水産省や関係自治体と連携し、原発周辺で出荷の多い農産物などを中心に生産段階での監視も進める。

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政府の対応が早いのは良いのですが、あまり大げさにやると被災地の農産物が風評被害を受ける恐れがあります。

民主党政権福島原発の対応の遅れを見ても分かるとおり、原子力への理解が深いとはいえません。

その一例が、枝野官房長官の記者会見でありました。


枝野幸男官房長官は16日午後の記者会見で、文部科学省が福島第1原発から約20キロ離れた福島県浪江町で実施した調査で高濃度の放射線量が測定されたことについて「直ちに人体に影響を及ぼすような数値ではない。365日24時間、屋外にいたら問題が出るかもしれないレベルだ」と述べたという。

調査では、1時間当たり最大330マイクロシーベルト放射線量を観測していました。


一般公衆が被ばくを許容できる放射線は一年あたり1ミリシーベルトと定められています。

浪江町で測定された放射線量なら3時間で『年間許容限度』に達します。

官房長官が言うように365日24時間被爆したら2.9シーベルト(ミリでもマイクロでもない)に達します。

被爆した約50%が死亡する値です。


この値をさして「問題が出るかもしれないレベルだ」というのは、揚げ足取りのレベルではないですよね。

官房長官は、日本の原子力行政において国民の健康に問題がないとの定めをご存じないようです。

もし、知っていて無視しているなら、国民への裏切りに値します。


原発事故で国民に過度の動揺を与えないようにとの配慮だったとしても、官房長官の口からデマが発せられては国の発表の信頼性に著しく影響が生じてしまいます。

大本営発表を信頼しなくなります。

国や原子力の専門家たちが自信を持って決めた尺度で危険性を国民に伝える覚悟が求められます。

本日の発電量 58.7kwh

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