・鳩は6月末、菅は来年一月に辞めるというが

今日は、日本国中の人がモヤモヤした気分だと思う。
菅総理が退陣を「示唆」しても、事態は好転するどころか悪化の一途をたどるのは避けられない。
この人に日本のリーダーは務まらないと改めて痛感し、それをひしひしと実感する一日になりそうだ。

期待と不安を込めて不信任案が採決される直前に開かれた民主党の代議士会を見守った。
菅総理から「後進に道を譲る」との言葉が発せられたものの、あいまいな表現で決断力の無さが浮き彫りになった。
続いて「お膳立て」をしたのは私だと鳩山前総理が口上を述べて、6月末には退陣する約束になっているような話をしたものの、直後に岡田幹事長が否定する。

密室の談義を公開の場に持ち込んで、あった無かったと無責任な言動をさらけ出すくらいなら、代議士会も密室でやった方がマシ。
民主党が国民の信頼を得るにふさわしい政権政党ではないことをあからさまにするための場になってしまったのは、日本の民主主義に大きな停滞を招く。
経緯はどうあれ、国民注視の場で進退を口にしたのなら、できる限り早期にけじめをつける潔さが必要だった。
でも、菅直人という人格に、それは不可能のようだ。

先年、年金未納騒動で民主党代表を降りたとき、濡れ衣であったけれどもやむなく辞任を決断した。
自らの不祥事が発端であり、ことの重大性はそれほど大きくなかった。
国民への影響も広がりを見せることは無いが、自分の中で嫌だったんだろうと思う。

ところが今回は、国難に直面する日本を率いていかなければならないという重責を負いながら、不適任との周囲の指摘に耳を貸さずに、総理の地位に固執している。
内閣不信任案が可決される見込みとなると辞任を示唆することで党内の造反組みの動きを抑え、さらに総理の座へのしがみ付きを強めた。
「河を渡っている間に馬を代えるな」との言葉があるが、わたっている間に代ろうとしている馬に乗り続ける不安に国民は耐えられない。

いつ、代わるのか分らないのに安心して乗っていられるわけが無い。
「一定の目処」とは、まことに都合の良い表現を選んだもので、どこかわからないけど馬が「目処」と思ったところで止まるので、そのときには代わりの馬を用意してくれ、と。
河を渡りきれそうになったら馬を代えてくれということではないから信頼できない。

復興が最優先に求められ、原発の対応にも正確性と迅速性が不可欠なこの時期に、総理大臣を代えている余裕が無いのは確かだ。
しかし、菅総理における昨日までのドタバタが、これからも長期間に続く悲惨な状況を想像すれば、余裕はないが必然性があるということには見識のある方なら分るはずだ。

原発冷温停止する来年一月まで退陣の時期を引き延ばした菅総理だが、東電の工程表がまったく当てにならないことを知ってか知らずか。
知っているならあまりにも小ざかしく、知らないなら対応を任せるわけにはいかない。
昨夜の会見で、総理大臣の資格を完全に失った。

国会は紛糾し、復興への悪影響は避けられない。
昨日、辞任させておけばよかったと後悔しても後の祭り。
せめて鳩山さんが約束したと思い込んでいる6月末には退陣させないと、この半年は大変なことになってしまう。