・無断熱住宅が次世代省エネ基準をクリア

うちの断熱リフォームが区切りとなる次世代省エネ基準をクリアしました。
そこで、現状報告です。
専門的な数字が並んでいますが、建設当時の無断熱からどれほど暖かくなったかは、下段の右端に示しました。
家から外に逃げる熱は、当初の1/5に減っています。

昭和54年に建てられた在来の軸組み真壁仕上げの無断熱住宅を8年前に中古で購入しました。
居間のコップで水が凍る家です。
しばらくはそのままの状態で暮らしてみましたが、もちろん寒いし、蛇口が凍って水が使えない、結露が凍結して窓が開かないというかなり過酷な環境でした。

こどもたちに十分に寒さを体験させたことで、4年ほど前からボチボチを断熱対策に取り掛かりました。
内窓を追加し、天井にグラスウールを敷き、外壁サイディングや内壁を剥がしてグラスウールを充填するなど、徐々に断熱性を高めてきました。
最小限のコストで最大限の効果を上げるために、部位ごとに熱収支を計算し、断熱資材の単価と断熱効果を比較する。

資材は、基本的にホームセンターで手に入る汎用製品。
既成概念にとらわれずに、資材の持つ潜在的な断熱性に着目して設計を繰り返しました。
今年の初めに耐震補強の補助金を得られたので、一部の窓を耐力壁に換えるついでに断熱材を充填し、窓もLow-Eペアに交換できたのは幸運でした。
設計に要した時間は数百時間に及びますが、実際に作業している時間の数倍であることは間違いありません。

低コストで断熱性を高めるためにもっとも重視するのが、全体の断熱性のバランスです。
熱負荷の大きいところからつぶしていくので、結果として無駄がなくなります。

この計算表のQ値は正式なものではなく、あくまでも概略値です。
設計の最終目標は北海道地域のQ値1.6を切ること。
概略設計では基本骨格を変えずにQ=1.58までは可能であると考えます。