電池保証が日本は5年10万キロ、米は8年16万キロの理由

日産がリーフのバッテリー修理を保証している期限は日本が5年と10万キロでアメリカが8年と16万キロ(10万マイル)です。
なぜ、アメリカの方が長期間なのか。

アリゾナなど高温地域があり、電池の保管寿命に厳しいアメリカなら本来は日本よりも短期間の保証になっていてもおかしくありません。
営業的な理由から販売促進のためにアメリカを優遇しているという考え方もあり得ますが、リスクが大きすぎると思います。

私の考えでは、ユーザーの使用形態の違いにあります。
アメリカの方が一回の利用に乗る距離が圧倒的に長いからです。
狭い日本では短距離の使い方が多くなります。

うちのリーフによる1万キロのバッテリ状態を観察して気が付きました。
片道5キロの通勤に利用する日常では、バッテリーの劣化が急速に進行します。

ところが片道15キロ以上走る時は劣化が止まります。
さらに、200キロ以上走るとバッテリー状態が再生することがあります。

走行用リチウムイオンバッテリーの健全性(Hx)の変化グラフからも読み取れます。

右下がりは劣化を表しています。
急激な劣化は、すべて日常の短距離(片道5キロ)通勤です。
ただし、赤丸の区間だけは片道15キロの距離を走りました。
そこだけ劣化が止まっています。

右上がりは急速充電と長距離走行でモーターへの適度な負荷がかかった時の再生状態です。
停滞している状態は、長距離走行でも再生現象に達していない場合です。

リーフのバッテリーが急速に劣化する短距離走行が日常的にあり得る日本と、ほとんどないアメリカで保証範囲の違いが生じていると考えられる理由です。