冬の経済速度 時間編

前回は、速度の変化が消費電力にどのように影響するかを考察しました。
「冬の経済速度 消費電力編」
引き続いて、時間への影響を考察してみます。

速度が上がって、所要時間が減る要因は、
(1)走行時間
理由:あらためて言うまでもないですね。

速度が上がって、所要時間が増える要因は、
(2)充電時間
理由:消費電力が増加した分の充電時間が増える
(3)充電回数
理由:消費電力が増加してこまめに充電する必要が生じる

試算の条件は、駒ヶ根市の自宅を100%充電で出発して、敦賀IC付近の日産まで高速道路を走行した場合を想定する。
室温:25℃、外気温0℃、積載重量:200kg、スタッドレスタイヤ

・充電待ちが全くない幸運な条件

時速90キロと時速100キロが最も短時間で、時速80キロは14分差になった。

・充電待ちが二回につき一回の割合で生じる条件

中央高速道路の実際の充電待ち状況からすると、妥当な条件です。
充電待ちが無い場合と同様に時速90キロが最も優位で、時速80キロと時速100キロが14〜15分差で並びます。

《考察》
冬期に中央高速道路を利用して敦賀へ向かう場合は、平均時速90キロで走行する条件が最も所要時間を短縮できる可能性が高いことが判る。
しかし、尾張一宮と長浜の区間を時速90キロで走行すると余裕がなく、悪天候になりやすい岐阜を通過することを考慮するとリスクが生じるから、この区間は若干速度を落とした方が良いだろう。

一方で、バッテリー残量に余裕がある区間では速度を上げて時間短縮が可能だ。
予め区間消費電力が判っていれば最適な速度を求めることができるので、区間ごとに設定時速を変えることが得策になる。

最適な区間速度に設定した場合の所要時間は二回に一回の充電待ちを想定しても302分で、平均時速90キロで走るよりも14分短縮できる。

尾張一宮と長浜間のみ時速85キロで走行し、他の区間は時速100キロで走行する条件が最短所要時間となった。
単純に省エネ速度の時速80キロで走る場合や、流れに乗って時速100キロで急いでいるつもりよりも約30分も早く到着できる。

賢くドライブ計画を立てることで無駄な時間を短縮して、その時間をのんびりと観光に使った方が楽しい旅になりますね。


《詳細な試算条件》
・30分で充電量が11kWhになるとした。
・一回の充電で立ち寄るための時間や充電操作のための時間は10分とした。
・速度の違いによるバッテリー温度への影響は除外した。(これができれば試算精度がさらに向上する)

※計算表内の数字は、左:GIDs、中:時間、右:消費電力の順。