冬の経済速度 消費電力編

走行速度が低い=遅いほど燃費(電費)が良いのは当然ですが、冬のEVだと同じ距離なら早く通過した方がエアコンの消費電力が少なくなる。
どのくらいの速度で走るのが効率的なのだろうかと疑問に思い試算しました。

速度が上がって、消費電力が減る要因は、
(1)エアコン
理由:通過時間が短くなるからエアコンを使う時間が減る。

速度が上がって、消費電力が増える要因は、
(2)空気抵抗
理由:速度の二乗に比例して増加する。
(3)寒くなる
一般には知られていないが、速度が上がると寒くなる。
理由は、速度が上がると車体表面の熱伝導が増し、外部に逃げる熱が増えてしまうからです。

起伏の少ない高速道を80km走行した場合の比較です。
※試算条件:初期型リーフ、スタッドレスタイヤ、積載重量150kg、気温-5℃、室温25℃
時速70キロ 12.0kWh、電費:6.6
時速90キロ 14.0kWh、電費:5.7
時速110キロ 16.7kWh、電費:4.8

時速70キロと110キロでは4.6kWhの差が生じます。
ゆっくり走ったほうが消費電力が少なくなりました。

ちなみに時速70キロと110キロでエアコンの消費電力の差は0.3kWhです。
(1)の要因でエアコンの消費電力が減っても、(3)の要因で外部に逃げる熱が増えてほとんど相殺してしまうことが判ります。

同じ条件の道路を最も消費電力が少なく経済的に走れる速度を計算したら、時速35キロでした。(消費電力10.5kWh、電費7.7)
時速35キロよりも遅いとエアコンの消費電力増が走行抵抗の変化量を上回って電費が低下してしまいます。
一方で、エアコンの消費電力は時速110キロに比べて0.8kWhも多くなっていますが、走行抵抗の変化量の一割程度です。

冬のドライブでも、のんびりゆっくり走ったほうが経済的だということが判りました。