NEXCOの上から目線

EVが連続して高速道路を走れない区間は東北を中心に全国に点在するが、季節限定で電欠する区間は判りにくいので厄介だ。
NEXCO中日本だと駒ヶ岳SA〜梓川SA区間が危ない。

冬以外なら何とかなるが、暖房や曇り取りに電力を使う寒い時期はかなり厳しい。
さらに、バッテリーが劣化したEVだと、過去には通り抜けられたはずだったのに現状は困難だったりする。

NEXCO中日本に、EVが置かれた現状を報告し、対策を依頼した。
その返事が
「現時点で駒ケ岳SA〜梓川SA間の急速充電器設置計画はございません。」
にべもない。

十分なバッテリー残量を確保するための目安に消費電力の掲示を進言したのだが、それについても
「EVの車両側の条件として、それぞれの車種で電費が異なりますので、どれだけの電池残量(充電量)があればいいといったものを一律的に掲示することは適切でないと考えています。
ユーザーそれぞれのニーズに応じて、お出かけ前に経路充電計画の立案をお願いしています。
その上で充電量が80%で次の給電可能エリアまでの間で電欠の可能性が予期されるのであれば、「おかわり充電」をするなど、ドライブの際の気象状況などによって臨機に対応されることをお薦めします。」

社としてできることをせずに、ユーザーにはできないことをやれと言う。
あきれた対応だ。


特に、コレ!
「ユーザーそれぞれのニーズに応じて、お出かけ前に経路充電計画の立案をお願いしています。」
お願いされた経験もないし、お願いする文面を見かけたこともない。
ICへ入る前に十分充電してくれというのは見かけたことはあるが
http://sapa.c-nexco.co.jp/guide/i-stop


コレ↓ができないから目安の消費電力を掲示しましょうと勧めているのに。
「充電量が80%で次の給電可能エリアまでの間で電欠の可能性が予期されるのであれば、「おかわり充電」をするなど、ドライブの際の気象状況などによって臨機に対応されることをお薦めします。」

・バッテリー温度が低いと80%まで充電することすらできない。
・電欠の可能性を予期することはほとんどのユーザーにはできない
・気象条件に臨機応変に対応するための情報がない

無理なことを要求してきました。
電費シミュレーターを有している特定のユーザーに対する回答だからこその無理難題なのかもしれないが。


最後に念押しもいただけない。
「EVの車両側の電池容量が拡大している事例もありますので、一概に電欠の蓋然性が高まっている状況にないとも考えています。」

30kWhリーフを念頭に置いているのだろうが、新型の新車を基準にすることが不適切だと知らないのだろうか。
電池容量が増えるEVが走り始める一方で、現状のEVは電池容量がどんどん減っていることに着目して対策するのが社会インフラとしての務めだと思う。

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EVのバッテリー特性を理解していない担当者がEVのインフラ整備に関わっているとしたら問題だ。
電欠の危険がある区間への充電器の設置と、臨機応変な対応を可能にするための情報提供を依頼した回答として適切だとは思えない。