・反対するのは勝手だが・・・。


入笠山周辺での2つの風力発電計画に対し、反対を決議した団体の活動が新聞の報道で大きく取り上げられています。
・伊那毎日新聞へのリンク 『三峰川みらい会議 風力発電施設・建設反対を決める』

・長野日報へのリンク 『風力発電計画に反対決議 三峰川みらい会議 』

ネットでは見られないが、信濃毎日新聞の記事にもありました。


一部の人たちが、自分の尺度で考えて反対や賛成を決めることは自由なので、どうぞ勝手におやりくださいです。
しかし、それを新聞の報道を利用して市民に誇示するのはどうかと思います。
会員のうちの23人から得られたアンケート結果で反対が多いからという理由で、18人の会合で採決をして、反対が多数を占めたから反対の決議を出す。
この程度では、地域社会に影響を及ぼす価値が感じられません。


そこに到達するまでの過程は、2月に計画についての学習会を開き、業者から説明を聞いた、
と報道されていますが、そのほかに判断の前提となる情報収集をした形跡は見られません。
代表は、

環境にかかわる市民団体の意思表示は重要なもので、重みもある

と強調しているようですが、
意思表示のための学術的な分析などを伴わない、単なる好き嫌いで判断しているように感じられてしまいます。
重要で重みのある意思表示をするならば、市民団体として責任ある判断の元にやってもらいたい。


自然エネルギーの利用は、これからの社会では積極的に取り組むべき最優先課題であります。
身近な自然エネルギーの代表は太陽光発電でしょう。
中部電力が積極的に太陽光発電装置を屋根にのせたオール電化住宅を売り込んで、環境にやさしいからと需要が伸びているようです。
しかし、このタイプのオール電化住宅のほとんどは環境にやさしくありません。
オール電化住宅にする以前のエネルギー消費量と比較すると、多くの場合は増加しています。


良く考えれば当たり前で、中部電力は電気を売って儲けているのだから、電気を売れるように、住宅設備の容量を大きめに設定します。
太陽光発電で余った電力を売って設備投資を減価償却できるとしても、
通して考えれば、電気は購入していることになってしまいます。


さらに、太陽光発電装置は、これを作るのに使ったエネルギーを回収できずに寿命が来る可能性があります。
オール電化にしたことで、消費エネルギーが増大することを考慮すれば、明らかに環境負荷が増加してしまいます。


このことは、環境にかかわる諸問題が、世間の常識で判断すると逆効果になることも少なくないことを示しています。
今回の反対決議をした団体が、どの程度の環境診断をしたのかは分かりませんが、
団体の構成員の生活を支えているエネルギー問題を無視して、「川の源流にあるから反対」としたならば無責任な判断だと思います。


駒ヶ根とは直接関係の無い団体のようですが、エネルギー問題は地域社会の共通問題ですからね。
駒ヶ根市民も大いに関心を持ってよいと思います。