・有権者の投票行動

長野県知事選挙では、無効票が多かったとの指摘があります。

選挙年 無効票 投票者数 無効率%
2002年 10,405 1,290,496 0.81
2006年 10,828 1,157,782 0.94


実数では400票ほどの差でしかないが、投票者数の減少を加味すれば、16%も無効票が増えている。
納得できる理由としては、読売新聞の記事にその答えを見つけられそうです。
・読売新聞 『どう「創る」 村井県政始動へ(1) 方向転換』

『田中さんは嫌だが、かといって村井さんでもいいのか』という有権者がいたのだろう


投票の際に、田中知事の政策よりもパフォーマンスの好き嫌いを優先すれば、自ずとこのような行動に出ても不思議ではないでしょう。
反面、村井氏を県知事に据えたらどうなるのか不安を抱いたからこそ無効票を選択した点で、良識を持ち合わせていた有権者だとも考えられます。
しかし、良識を持ち合わせずに投票所に来なかった有権者による投票の減少分、13万票が県政の行方を決めてしまったのかもしれません。


投票率の減少は長野県に限ったことではなく全国どこでも起こっています。
有権者、特に青年層の投票率が低いと指摘されていることから考えると、若者の想像力が不足している傾向が考えられます。
今を生きるのに精一杯、自分の夢が一番大事、世の中は放っておいてもなるようになる、自己に甘く他者に無責任な若者思想が蔓延している影響もあったようです。


村井氏を当選させた要因が、社会責任の放棄層の増加であるとするならば、村井県政の行方は混沌としてしまうのではないでしょうか。
市民の声を取り上げることが、田中県政の時よりもさらに困難な状況を念頭においておかなければなりません。
市長や県議の意向が市民のそれと乖離する傾向が強まっていると考えると、村井氏が意見を聞く相手が誰なのか、慎重に吟味することが求められます。