・眉に唾して読めましたか?

信濃毎日新聞の記事に作為の疑いを持って読みましょうとお伝えしましたが、できているでしょうか?
11日の朝刊の記事を読んで自己チェックしてください。
・信濃毎日新聞 『村井氏支持率72% 市町村との協調 半数が望む』

一面で目立ったのがこの記事ですが、皆さんは、どう読みましたか。


私が気になったのは「村井氏の知事選での得票率53.42%を上回る高い水準となった」の記述です。
選挙で53%だったものが支持率だと72%になれば、
「村井さんは支持されているんだ」、「この数字は高い水準なんだ」
と、思い込んでも仕方がないでしょう。
しかし、ここで眉に唾してみましょう。


田中知事が経験した2000年と2002年の知事選の得票率と直後の世論調査を比較してみました。

年度 当選者 得票率 支持率 ポイント差
2000 田中 49.1 91.3 42.2
2002 田中 64.3 84.7 20.4
2006 村井 53.4 72.2 18.8


田中氏が初当選した2000年は、得票率が50%にも満たないにもかかわらず、支持率は90%を超えていました。
出直し選挙となった2002年は得票率、支持率ともに高かった。
これに比べて、村井氏は得票率、支持率ともに低いと言わざるを得ない、何をもって「高い水準」と定義できるのか疑問です。


信濃毎日新聞の記事でも前回と前々回の知事選の支持率には触れているものの、適切な解説を回避して読者に誤解を与えるような記事となっている。
この程度の解析はもちろん新聞社ならやっているはず。
解析してもなお、本来の傾向と異なる記事を書くところが信濃毎日新聞らしい。
この記事は、信濃毎日新聞の捏造(ねつぞう)体質を顕著に表していて、とてもすばらしいと思う。(性格悪くなりそうですが・・・)


さらに付け加えるとすれば、県議会の役割について。
「県会の役割 46% パイプ役に」
と見出しがついていますが、かなり村井氏に都合の良い解釈だと思いますよ。


円グラフが二つあるので、どちらを見てもパイプ役よりも重要なものがあります。
「県行政のチェック」と「政策への提言」はどちらも県議会から県政への働きかけと言う意味では一括りにしても良いはずです。
あわせれば47%にもなる。
分ければ小さくなるのは当たり前ですが、県民が本当に求めている県議会の役割を履き違えさせるようなデーターの扱いにもらしさが出ています。


さらに極めつけは、上の円グラフです。
来春の県議選で県議会の流れを問われたものですが、86.7%が「変える必要がある」と答えていることになります。
県議会に最も求められているのは、県議の顔ぶれを変えることにあると県民の大多数が言っているのです。
なぜこれほどまでに県民の声が集中した項目が見出しにならないのか?


村井氏の選挙戦での主張を後押しするために、調査のデーターで最も重要なものが脇へ押しやられてしまいました。
見出しは記事の内容を読まずして、重要なポイントを押さえることができるように工夫するはずです。
ポイントがずらしてあるとしたら、それは新聞社の意図がそのように働いていると考えてもおかしくないと思います。