・エコロジーで50%off ゴミ編

冒頭、言葉の使い方について。

  • ゴミ:用途を終えた廃棄物
  • クズ:一つの用途を終えて次の用途へ利用される資源


私が子どものころは、クズ屋というのがあって新聞紙を束にして持っていくと、
秤で計って買い取ってくれて、数十円の小遣い銭が稼げました。
今だったら、リサイクル業とか廃棄物処理業とか言うんでしょう。
鉄くず、木屑、紙くず、・・・。
再利用可能な資源としての廃棄物に対する意識が、言葉の違いによって表されていたと思います。


辞書(大辞泉)で引いてみました。

くず〔くづ〕【×屑】

  1. 物のかけらや切れ端などで役に立たないもの。「糸―」「裁ち―」
  2. いい部分を取ったあとの残りかす。「―米」「売れ残りの―」
  3. 役に立たない人のたとえ。「人間の―」


一般的に使われている用法に沿っていますが、先人の知恵が込められた「屑」の本質からは離れてしまっていますね。
最近では何でも「ゴミ」と言い切ってしまう風潮が見られますが、
使えるゴミの名前は『屑』との意識を持とうと心がけています。


最も有用なものは生ゴミです。
ごちゃ混ぜにするから生ゴミと一括りになりますが、
野菜くずの中には人参や大根の葉のようにそのまま調理素材として有用なものがあります。
できるだけ使い尽くした残りには、まだ十分に養分が含まれていますので、
次の食材を育てるための資材として使います。
分かりやすく言えば、生ゴミを捨てないで堆肥にするということです。


我が家の堆肥は、かなり凝った作りになっています。
内容物を列挙すると、こんな感じです。

  • 生ゴミ
  • 木屑(おが屑、鉋屑)
  • 刈草(土手草、敷地の除草)
  • し尿(便所から汲み取って堆肥に全量投入)
  • 木灰(風呂釜、薪ストーブ)


成分を考えて入れているわけではありませんが、いろんなものを入れていると結果として良質な堆肥が出来上がります。
特に、し尿は大切な肥料成分になります。
下水に流したり、バキュームカーに買い取ってもらうなんてもったいなくてできません。
もちろん、農村地帯だからできるのですが、農村地帯の利点を生かそうと思わない家庭ではやってないでしょうね。
と言うか、うち以外にやっている家庭を見たことがありません。


自分の「おしっこ」や「うんち」を ”汚いもの ”として避けてしまってはもったいない。
昔は、農村から町場へ糞尿を買い取りに来たと聞いたことがあります。
それほど価値の高いものであり、自分の食生活を考えれば安心して使える肥料成分です。


さすがに汲み取っている作業中はかなりの臭気を発散します。
街中では無理ですね。
でも、堆肥の山にかけ流して、切り返すと数時間で臭いがなくなります。
堆肥に生息する微生物の働きだと思います。
CMされてる消臭剤のW効果でも、ここまでピタッとは消せないと思いますよ。


つづく。