・組織改変△と喫煙復活×

県庁内の組織が再編されました。
村井知事が、田中前知事の遺産として最も忌み嫌っていたものに着手。


村井知事のやることすべてが悪いわけではないのが、今回の組織改正に伴う名称変更です。
カタカナを日本語に訂正したのは、諸手を挙げて評価します。


田中前知事の理念には共感できるところが多かったので、
これを破壊しようとする村井知事の手法に、基本的には賛同できません。


しかし、田中県政すべてを是認できるかといえば_NO。
なかでも、やめてもらいたいと常々思っていたのが、カタカナの乱用です。
文筆家として、美しい日本語を広める努力を怠ってきた田中氏の落ち度だと思います。


コモンズのように理念をあらわすのに適切な日本語訳が難しいものもあるのですが、
だからといって、カタカナにしたところで市民に受け入れやすくなるわけでもありません。
すべてを漢字に変換しようとする中国を見習って、日本語の造語能力を高める努力が必要でした。

  • 読売新聞  「カタカナ名称日本語に 県組織再編案」  記事引用→*1


組織改変の中身に関しては、実情が分からないのでなんともいえませんが、
玄関に常駐したお尋ねコンシュルジュは、常連には不要でも新参者には有難い存在だと評判がよかった。
(カタカナ名称は落第だったけど)
田中前知事の目指した組織は、ユーザー(県民)の視点から利用しやすいものだったはずですが、
村井知事は、県庁の組織運営が主体のお上の視点からのもののように感じます。
お上意識が体に染み付いて、それだけで成り立っているお方なので、仕方がないことなのかもしれません。


ところで、気になる変更点が喫煙に寛容になりつつあることです。
喫煙の健康被害は社会共通の認識になっています。
また、「ちょっと一服」として、フレックス休憩時間を自分勝手に設定することを容認してしまいます。


分煙をするなら、受動喫煙と作業効率の低下、さらには無駄な支出を防止する処置が必要です。

  • 喫煙室は、完全に密閉できる構造で、空調系統は必要な外気供給に限定する。
  • 入室は、職務規定で決められた休憩時間に限定する。
  • 空気清浄機や冷暖房が必要ならば、利用者の自腹で設置する。

喫煙者への対応は、職員への福利厚生とは考えてはいけないと思います。
あくまでも、タバコ中毒患者への配慮としての位置づけが大事です。


さらに一歩進めて、喫煙サロンを設けてはどうだろうか。
運営は民間委託して、庁内の一角で喫煙しながら休憩できる施設を設ける。
県はスペースを有料で賃貸するだけにとどめる。
民間施設は、利用者から利用料を徴収した資金で設備投資をし、運営する。
採算が取れなくて、民間の進出がないところは喫煙はできない。


喫煙したい人たちは必死になって誘致しないと喫煙できない仕組みになる。
県の財政負担はないし、喫煙者は努力すれば喫煙場所を確保できる。
これくらいのことはやってもらいですね。

*1:村井知事は22日の記者会見で、経営戦略局の廃止を柱とした組織改編案を公表した。11月1日の実施を目指す。田中康夫・前知事が取り入れた「チームER」といったカタカナの名称はわかりやすい日本語に改め、「課・係」も復活させる。改編案によると、財政や人事など7チーム1室を抱える経営戦略局を廃止し、機能を企画局、総務部、土木部に振り分ける。特に、総務部に「秘書課」「人事課」「財政課」など5課を設け、経営戦略局の主要な機能を移管。また、企画局に「企画課」を、土木部に「土木政策課」を新設し、政策立案や治水・利水対策を担当させる。また、今年4月、2チームに縮小された農政部と林務部についても、土地改良や林道整備など他部局に分散された機能を戻す。名称では、チームは課、ユニットは係とする。また、「ユマニテ・人間尊重チーム」は「人権・男女共同参画課」、「チームER」は「企画課」といった具合に、カタカナや当て字を用いた名称は日本語にする。ただ、「信州の木活用課」などは、「わかりやすいものは生かしたい」(知事)として残す方針。経営戦略局を廃止する条例改正案は28日開会の9月定例県議会に提案される。ほかの組織改編は県組織規則の改正で対応する。 2006年9月23日