・うそをつかない、嘘つき知事

村井知事が、自分のことを「うそをつかない知事」だと言ったとの報道がある。


にわかには信じられないのだが、6日の県議会一般質問で、宮川速雄県議の
「知事は誠実一途な人と言われる半面、頑固一徹と聞くがどうか」
とする質問に答えて、
「私は頑固な人かもしれません」−−。


自らを信念を曲げない人物だと自己評価するなんて、とても常識人にはできない。
真実は、自己暗示を掛けて、悪事を働いても、嘘をついても、信念を守るためには、
必要なことだと自己弁護しているだけです。

  • 村井知事:「言ったこと守り、自分は頑固かも」 毎日新聞/長野 記事引用→*1


紹介されたエピソードは、村井氏の失言を秘書に責任を押し付けただけじゃないですか。
村井知事が秘書を何とかして、県民負担で増やしたいとする理由が分かります。
失態をしたときの保険に、秘書をなるたけ多く抱えていたいのです。


トカゲの尻尾切りのように、自分の失敗を秘書が背負って脱落させていく村井システムがあるのでしょう。
大した議員でもないのに、衆議院時代に14人もの秘書がいたのは、頻発する失態をカバーさせるためだった?


ところで、村井知事が嘘をつかないなんて信じている県民がいるんだろうか。
県知事選挙で村井知事に投票した人でも、ほとんどが公約を守ってくれるとは思っていないでしょう。
本人は嘘をついていないと思い込んでいるかもしれませんが、言っていることに嘘が少なくない。


個人秘書の県職員採用を「白紙」にしたと言いながら、ほとぼりが冷める間もなく撤回。
まだまだあるよ、うそ公約。
立会演説会で示された11項目の公約を見ただけでも、

  • 財政の健全化 経済活性化による税収の確保とともに、歳出削減に努める
  • 県債残高の減少による安定的な財政運営
  • 高校再編は、地域住民との話し合いによる合意を尊重し、合意がなされないものは、白紙に戻して再検討


積極財政で歳出を増加させ、借金を重ねて県債をギリギリの水準まで高める。
合意なき高校再編は、県教委に責任転嫁して、知事は無関係と嘯(うそぶ)いてしまった。


ところが、これらは「県知事選挙のための候補者個人の公約」であって「知事になったら別」なのだそうです。
何のための選挙公約なんでしょうか?
知事になったら何をやるのかを候補者が有権者に約束するから「公約」なはずですが、
村井氏によると、公約とは選挙のためのリップサービス程度の重さしか持たないようです。


ただし、これらの選挙公約は本人が立会演説会で言ってしまったので、秘書に罪をすり変えることができない。
秘書の責任にできないなら、候補者個人と知事を別人格にしてしまう作戦に出たわけです。
こんな自分を「言ったこと守る」と言えるのは、言ったことを忘れてしまえる特技があるからでしょう。


言うなれば、村井痴持ですね。
注:村井氏は「痴」呆の「持」病が悪化したので、知事ではなく痴持の方が適切だと思うから。

*1:「私は頑固な人かもしれません」−−。村井仁知事は6日の県議会一般質問で、自らを信念を曲げない人物だと評した。宮川速雄県議(あおぞら)の「知事は誠実一途な人と言われる半面、頑固一徹と聞くがどうか」とする質問に答えた。村井知事は衆院議員に初当選を果たした86年の衆参同日選挙で、焦点になっていた大型間接税にまつわるエピソードを披露。「秘書が当選目当てでマスコミに『反対』と伝えてしまった。当選後、私が導入に賛成したために『うそつき議員』の一人にされた」という。それ以来、村井知事は「自分の信念を曲げてまで当選するのはよくない」と思うようになったという。答弁の締めくくりに村井知事は「自分の言ったことを守り、責任を持っており、そういう意味では頑固かもしれません」と、“うそをつかない知事”をアピールした。【川口健史】2006年10月7日