・自治体と住民が抱える問題点

昨日、紹介した松本周辺の市町村合併の動きについて、
当事者の住民とは違った近隣住民からの情報が寄せられました。


利害に直結しないが、事情をよく知る方のご意見を拝聴することも、
問題を冷静に考える上では大事ではないでしょうか。


情報を提供していただいた方は、近くの自治体に住んでいて、対象地区に知人も多い。
三者として、合併を見ている方の意見です。

前の町長の時、松本市との合併が提案され、「任意合併協議会?」のメンバーにもなっていました。
議員や町民の中で合併反対の論議が起きて、住民投票となり、その結果合併から自立へと方向を変えました。
その後、町議会で「自立するため」の歳費縮減議題が提案されたのが、合併反対の議員達の反対に遭い、歳費縮減もできない状態になりました。と、波田町の人から聞いたことがあります。彼曰く「合併反対の運動をした議員は、いよいよの時歳費削減に反対して(特に議員歳費)逃げた」と怒っていました。
※町民から「歳費縮減議題への反対は、合併推進の議員」との指摘あり。
そして今の町長は「松本市との合併」を公約に掲げて選挙に立ち、当選しました。つまり、「民意」が逆転したのです。

元町長による合併の方向→住民投票による自立の選択→町長選挙による合併の町長。

現在の町長の動きは確か立候補時にも「公約」として謳っていたと記憶しています。その意味では全町民への家庭訪問の是非は別として、公約通りの動きです。
松本市が冷淡なのは、以上の経過があり、はたして合併の方向が町民の総意となるか分からないからです。
感情論でなく冷静な議論を求めます。

訂正:合併研究会→任意合併協議会


合併問題は、功罪が相反し、理事者の利益も絡んで評価が難しくなっています。
駒ヶ根のように、とんでもない珍市名を付けようとして、市長公約だった合併が白紙に戻されても、
自立の道を、合併を公約としてきた市長が目指す、恥知らずな自治体もあります。


問題が解決しない最大の理由は、情報が都合よく操作されて市民に伝えられてしまうからです。
合併したい自治体は、合併による理想郷を描いて、自立は茨の道を歩むことになると脅します。
しかし、実際には理想郷もないし、茨でもなく、自立できない自治体は合併してもうまく行くはずがない。


合併したら、自治体運営の効率が本当によくなるのか。
住民サービスが向上するのか。
合併特例債の恩恵が目的の合併推進では、これらの本質がないがしろにされてしまいます。


はじめに賛成・反対ありきではなく、ましてや恣意的に操作された合併協議会の情報に惑わされることなく、
住民が参画した綿密な検討組織の活動が必要だと痛感しています。


上伊那では、住民が主体となって、地域の政治課題を考える組織作りが始まっています。
身近な問題をなおざりにしては、市民の政治参加はありえません。
住民が知恵を集めて課題に向かい、これを行政が支援するのが「協働」のあり方ではないでしょうか。