・浅川ダムは後戻り

浅川治水問題:「吉村知事時代の結論正しい」 ダム予定地活断層長野市長 毎日新聞

長野市の鷲沢正一市長は11日、旧浅川ダム建設予定地の活断層の有無に関し、県が設置した二つの委員会が異なる見解を示したことについて「二つの委員会は質が違うもの」と述べ、吉村午良知事時代に設置した委員会の結論が正しいとの認識を示した。
県は吉村県政時、「地すべり等調査検討委員会」で、建設地に活断層は存在しないとの結論を出した。
一方、田中康夫知事時代に設置した「治水・利水等検討委員会」では、現地調査で活断層の存在を認め、再調査を促していた。
鷲沢市長は田中県政時の委員会を「専門家でも何でもない人たちが集まった意見交換会」とやゆした。
村井仁知事は3日の県議会で、両委員会の見解が異なっていることを「承知している」と答弁している。


鷲沢さんは、長野県の県庁所在地の市長なんだから、すくなくとも嘘を言ってもらっちゃ困る。
委員の高田直俊工学博士は、大阪市立大学工学研究科都市系専攻・工学部土木工学科 地盤工学研究室。
松島信幸氏も在野の地質研究者として、地道ですが100を超える研究論文を発表している。
どちらも、十分に専門家だと思います。


科学は時とともに発展して行っているので、新たな知見が得られることは当たり前です。
それなのに、昔の方が正しいと一方的に主張される鷲沢長野市長は見識が疑われても仕方がない。


鷲沢氏が炭平コーポレーションの社長だったことは周知の事実ですが、
炭平興産というセメント生コンの会社もグループ企業の一員です。
当然、ダムを造れば儲かる。
儲かる方向に事業を進めようとするのは、欲深い人間の常です。


活断層の再調査の必要性が指摘されても、もし存在が確認されてしまうとダム建設が危うくなるのなら、
はじめから調査をしなければよい_というのがこの方の本音でしょう。
昔の調査で、存在しないと結論付けられているのだからと、後戻りしてしまおうと目論んでいるようです。


当然、盟友の村井知事も「承知している」となるわけです。
さて、後戻りはしないと事あるごとに繰り返す知事ですが、活断層の調査も打ち切ってしまうのだろうか。
浅川ダムの検討では、「科学的最高の知見を集めて結論づけたい」、としているものの、
科学的知見が何を指すのか、どういう形で結論づけるのかについて明言していない。


さらに、9月定例県議会の本会議後の記者会見で、技術的判断をどう集約するかについて、
「国や長野市との調整の過程で満たされる」と述べ、
審議会や学識経験者から意見を聞く必要はないとの認識を示したとされています。


専門家の意見も聞かないで、科学的最高の知見がどうやったら集められるのか。
長野市との調整とは、鷲沢市長との関係を示しているのですから、
市長になる前の40年間に渡って土木工事に従事して生きた実績から、
鷲沢市長の知見が科学的で最高だとの位置づけなのかもしれません。


村井知事と鷲沢長野市長両人の専門家・科学的知見の定義には、今後も注目です。