・京都議定書は不十分

今月6日からナイロビで、京都議定書の第2回締約国会議が開催されます。
将来の大幅削減に向けた議定書の見直し作業の進め方や、
温暖化の影響を受けやすいアフリカなどの発展途上国への支援策が、
主要議題となります。


しかし、京都議定書の議長国であるはずの日本では、温室効果ガスの削減に暗雲がたちこめている。


京都議定書で日本は2008年から2012年までの温室効果ガスの排出量を1990年比で6%減らすことを約束した。
だが、最新の05年度の排出量は90年をを8.1%も上回り、達成は厳しい情勢になっている。


環境省によると、自動車などの運輸部門の排出量が04年度比で1.8%減るなど明るい兆しもあるが、
家庭部門は90年度比で37%、ビルや店舗など業務部門も同42%と増加が著しい。
産業部門も景気拡大に伴い今後増加する可能性がある。


そこで、長野県知事選のご褒美で環境大臣になった若林正俊氏の出番ですが、

必要に応じて新たな対策を追加するなど、6%の削減目標が達成できるように全力を挙げなければならない

と、政府の目標達成計画を見直すようにげきを飛ばしたようですが、
見直し議論に加わる経済界のメンバーからは
「約束を守れないこともあり得るという議論があっていい」
との意見が出るまでになっている。


力不足は当初から分かっていたはずですが、周囲からも見放されているとは、
国務大臣として情けない・・・。


温室効果ガスの削減が進まない一つの原因は、地方自治体が削減目標を持たないことにあります。
駒ヶ根市の場合でも、「削減目標は国単位でのものであって、市には関係ない」とつれない。
自治体内で人口動態や産業構造の変化があるので、目標を設定して削減に努力することができない、
と他人事のような振る舞いです。


個人、家庭、地域、市町村、県、国の順に構成されているのですから、
国の削減目標を達成するためには、県や市町村単位の削減努力が不可欠です。
個人や家庭には削減しろと言っておきながら自治体はやらないのでは無責任。


市の財政を潤すためには、企業を誘致し人口を増やさなければならないので、
温室効果ガス削減などに取り組んでいられない、というのが本音です。
これでは、自国の国力増強のために京都議定書から離脱したアメリカと同じです。


自治体単位で産業規模を拡大したならば、増加する温室効果ガスの削減義務を付加する制度が不可欠です。
自治体間で排出量取引が発生することも前提にしなければならないと思う。
人口が減り産業が衰退した過疎の自治体は、温室効果ガスの排出も減っているので、
増加している自治体へ排出量を売り渡すことで、過疎がメリットを生み出す仕組みになります。


長野県も、温室効果ガスがかなり増加しています。
村井知事は、収入を増やすために企業誘致、積極投資を考えているようですが、削減義務の達成に無頓着ではいられない。
若林大臣が、長野県にどのような指導をするのか、お手並み拝見と行きましょう。