・県世論調査協会の歪曲記事
長野県世論調査協会による村井県政の支持率が発表された。
信濃毎日新聞では、喜び勇んで「村井知事支持率61%」の大見出し。
一面中央部には「6割支持ありがたい 村井知事の話」として
知事談話を掲載する持ち上げようは、さすがです。
しかし、そこはSM新聞ですから、世論調査の報道の仕方には、
強引な世論誘導が潜んでいます。その一端を探ってみると・・・。
田中前知事が誕生した4ヵ月後の翌年2月には定例のモニター調査が行われ、
- 内閣の支持率:森内閣の支持率7.6%、不支持92%
- 政党支持率:民主党が25.2%でトップ、自民党が13%と2割を大きく割り込む
- 田中県政の評価:支持は86.8%の高水準、不支持は12.8%
- 景気の判断:不況のまま7割
などの報告が出されていた。
田中県政の設問は「支持する」「支持しない」「なんともいえない」の三択。
一方、村井県政半年を経過した本年2月のは「村井県政半年」として単独扱い。
支持率の設問は、「支持する」「不支持」「なんともいえない」に加えて「どちらかといえば○○」の五択。
これは、「田中県政一年」の節目で調査された時と同じ内容ですから、
村井県政には半年先取りして特別扱いのように感じます。
支持率が61%もあって、村井県政は県民に支持されていると印象付けることを意図した記事ですが、
ほぼ同時期の田中県政は86.8%あり、単純比較で25ポイントも村井県政が低いのに、記事では指摘しない。
逆に、支持率は61.3%で不支持率の34.9%を26.4ポイント上回っているとして、支持率の高さを誇張している。
さらに注目すべきは、村井県政を評価する61.3%に対して、田中県政を評価するは62.7%と、
1.4ポイントと小差ながら、前県政の評価のほうが上回っているのだが、これにも一切触れていない。
調査の意図は、田中前県政と村井県政を比較して上回ることを期待したのだろうが、
結果は逆転してしまったので無視するのが得策と判断したようです。
一覧表にすると、村井県政の評価が田中前県政に比べて低いことがお分かりいただける。
知事 | 支持 | 不支持 | 調査時期 | 支持 | 不支持 | |
---|---|---|---|---|---|---|
村井 | 61.3 | 34.9 | 村井半年後 | 61.3 | 34.9 | |
田中 | 62.7 | 35.5 | 田中4月後 | 86.8 | 12.8 | |
差 | +1.4 | △0.6 | 差 | +27.5 | +22.1 |
左表は、今回の調査データにて比較、右表は各時期のデータにて比較。
村井県政の最中にありながら、田中前県政のほうが高い評価ということは、
記事の大見出しに採用されて当然なのだが、村井県政の支援マスコミとしての使命に燃えるSM新聞では、
当然のごとく封印されてしまうのです。