・金がないからこそ正常な市政

中学校適正配置検討委員会

 開会中の駒ケ根市議会3月定例会で9日、2日目の一般質問が行われた。
中学校適性配置の見通しについての質問に対し中原正純市長は

生徒数は東中が減少、赤穂中が増加の傾向にある。人口動態予測などから、現在の指定校変更制度を続けていくだけでは今後対応できなくなることも考えられるため、通学区の変更についても市教委で検討している

として、近い将来通学区変更に踏み切る考えのあることを明らかにした。


 中学校適正配置は、元をただせば通学区適正化であったものを、
合併特例債を目当てに学校を移転させてしまおうとした、中原市政が生んだ利権の象徴です。


 駒ヶ根市に2校ある中学校は、設立当初から大規模と小規模の違いが前提とされていました。
市街地にある中学校と中山間地に位置する中学校では、通学対象児童数に違いがあり、
地域性を考慮した今の配置が適正として建設されています。


 ところが、市街地にある赤穂中学校で校内暴力が表面化し、収束がつかない状態にまで発展しました。
学校の大規模化に伴う教育環境の悪化が原因と考えた市教委では、通学区を変更して生徒数の減少を検討しました。
そこで、対象地区に通学区の変更の検討を依頼したところ、大人たちの地域エゴによって検討委員会は破綻しました。


 受け入れる側の竜東地区にある東中学校では、通学区を拡張することに同意していたのですが、
線引きの対象になる地域の代表者たちは、「母校」が変わる事を嫌い、自分たちのエゴをむき出しにして、
教育の観点から児童生徒の利益を考えることができませんでした。


 さらに、赤穂地区から天竜川を渡って通わせるのは嫌だから、学校ごと天竜川を渡らせて移動してしまえという、
乱暴な意見が出されました。
非常識極まりない暴言のはずですが、市町村合併に無我夢中となっていた中原市長には「天の声」に聞こえたようです。


 合併特例債を利用するにはうってつけで、これほどに文句をつけられない箱物はない。
そこで、問題があるのは市街地の大規模校であるが、これを不問に付して小規模校の問題点を搾り出し、
小規模校は児童生徒に不適切だから、移転させて生徒数を増やさないとダメだぞ_とのキャンペーンを始めました。
その、お先棒を担いだのが教育長と教育委員会ですから、駒ヶ根の腐敗体質はここに極まりました。


 しかし、天は悪事を許しませんでした。
珍市名を嫌った市民により、合併が破綻し、金の工面ができなくなった途端に学校の移転は白紙に。
本当に必要な事業なら、何を措いてでも敢行しなければなりませんが、金目当てだからこそ、ない袖は振れません。


 そこで、やっとのこと本来必要とされていた通学区の変更が現実味を帯びてきたというわけです。
金の亡者と化した理事者たちに、まっとうな政治をさせようと思ったら、お金を絶つのが一番です。
金がなければ頭を使って市政に取り組まざるを得ないですからね。