・温暖化防止義務を放棄した長野県

長野県の地球温暖化防止計画というのをご存知でしょうか?

どこの県にもあると思いますが、長野県は、CO2の削減は度外視して、森林吸収量だけに頼った内容となっています。


具体的な数値を挙げると、

1990年のCO2排出量は全県で1312.6万トン。

2012年のCO2抑制計画は、1435万トン。

122.4万トン、率にして9.3%の増加です。


1990年比でマイナス6%が目標のはずなのに、逆に9%も増加する計画です。

減らすのは、CO2以外の温室効果ガス。

1990年に218.3万トンだったものを149万トンに減らします。

農業系のメタンが減るそうです。


合計すると53.1万トン、率にして3.5%の増加で、マイナス6%には遠く及びません。

そこで登場するのが、森林吸収量です。

いきなり145.7万トンの削減効果として計上され、CO2排出量が1438.3万トンになって、ピッタリ1990年比で6%の削減になります。
※1990年はCO21312.6万トン+非CO2218.6万トン=1531.1万トン(6%削減で1439万トン)

机上の空論としては計算のつじつまが合いますが、森林がCO2を吸収する効果は1990年をゼロとして、2012年だけ145.7万トンも上乗せする「ごまかし算」です。

長野県地球温暖化防止県民計画抜粋(PDF)


ごまかしをさらに大きく見せるために、県が発行しているストップ!地球温暖化のパンフレット。

森林のCO2吸収量が、2008年から2012年に実施する森林整備で32.7万トンも増加すると誇大広告。

実際は、8.7万トンしかない増加分を、累積計算で大幅に水増しして公表しています。


温室効果ガスの排出量は単年度で示して、森林は5年間の累積。

本来なら温室効果ガスの削減も5年間の累積で考慮すべきところなのに、ごまかしています。


村井・長野県知事は、森林税を全県民に負担させて森林整備をするといっていますが、その成果がこのようなまやかしを根拠としているのが実情です。

地球温暖化なんぞ、計算のつじつまだけ合わしておけば、村井を知事に選ぶほどおバカさんな長野県民は気がつかないと思っているのでしょう。


はっきりしているのは、長野県は地球温暖化防止のためにCO2を削減できない、という現実です。